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  • 2008年12月1日月曜日

    「台湾の声」【連載】日本よ、こんな中国とつきあえるか(33)

    【連載】日本よ、こんな中国とつきあえるか(33)
        台湾人医師の直言

    (転送転載自由)

    出版 並木書房(2006年7月)
    著者 林 建良

    http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%88%E3%80%81%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%81%82%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%8B-%E6%9E%97-%E5%BB%BA%E8%89%AF/dp/4890632018/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1208414945&sr=8-1

    第5章 台湾の独立は日本の国益につながる  

       国民党政権の誕生は日本の悪夢の始まり
         
    5、日本は核武装を決断すべきだ

    ●危機は日本の意思に関係なくやって来る

     何度でも強調したい。

     日本が本気で自国とアジア全体の将来を案じるのなら、中国を崩壊させる以外に道がない。邪悪な中国を今のまま放置することは、人類に大災難をもたらすことになり、中国を牽制できるアジア唯一の国である日本がとるべき態度ではない。

     中国の崩壊は周辺の混乱をもたらすから、このまま維持させるべきだという意見が少なからずあるが、それは中国の本質を理解できない浅薄な見方でしかない。なぜなら、このままなにもしなくても中国は崩壊する。もしくは、その崩壊を察知した瞬間、中国自身が本能的に外に向けて混乱状態を作り出すだろう。いずれにしても、世界に災難をもたらすことになる。

     安定した情況を長く保たせ、問題をできるだけ先送りしたい気持ちはわからなくもないが、このままでは、いつ崩壊するかわからない隣の老朽化したビルを、ただ手をこまねいてボーと見ているようなものだ。こういう場合は、自他の安全を守るために、このビルを計画的に崩壊させることこそ常識ある判断なのだ。今の日本にはこの常識的な判断が求められている。

     中国を安全に崩壊させる近道はない。しかし、今から取りかからなければ間に合わない。その方法は二点に尽きる。一つは日本が強国になること、一つは台湾を法理的に独立させることである。

     強国とは、経済力、政治力、軍事力、人口力がともに強いということである。日本は人口からしても、経済からしても、すでに強国の入口に達しているが、政治力と軍事力はアメリカ依存から脱出できないでいる。それゆえ、日本は強国になる条件は備えているものの、現状では強い存在ではない。栄養はたっぷり摂っているものの肥満体であって、精悍さに欠けるのである。日本はまた、金持ちのお坊ちゃまのような存在だ。いくら金を出しても、発言権はない。お金をせびられる存在であって、尊敬される存在ではない。

     多くの日本人はこの現状のままでいいと考えているようだが、この現状の行き先は滅亡という終着点以外にない。要は、日本の将来はアジアのリーダーになるか、中華帝国の奴隷になるかのどちらかであって、その中間は存在しない。地政学的には、二つの巨大勢力の存在は、そのような結末でしかないのである。

     今までの中国は人口大国ではあっても、経済大国ではなかった。これから名実ともに大国になれば、日本と雌雄を決することになるのは当然の成り行きであろう。その危機は日本の意思に関係なくやってくる。日本人はこの危機への対応を、もっと真剣に考えるべきではないのか。

    ●アメリカは躊躇せず引き上げる

     中国の覇権主義に対抗し、日本がアジアの責任ある大国になる第一歩は、まずお坊ちゃま体質から脱皮することである。それが身の丈にあった責任の取り方だ。

     戦後の日本は「平和憲法」を後生大事に抱え、無菌室のなかで成長してきた。そのためか、普通の世界に一歩でも出ると、何もできないひ弱さをすぐに露呈してきた。それなら、永遠に無菌室で生活すればよいという考え方もある。だが、あらゆるバイ菌を排除し、無菌状態を維持してくれているのはアメリカである。一国の将来を完全に他国に委ねることを、属国と言う。いくら居心地がよくても、所詮「属国」は軽蔑される存在でしかない。

     永遠に無菌状態を維持してくれれば、それでも構わないと思う日本人も多くいるようだが、その保障はどこにもない。健康を維持するとはどういうことかと言うと、永遠に無菌室にいることではない。体力をつけて、免疫力を高めることを言うのである。戦後六〇年間も無菌室に居つづけられたことは、まさに僥倖だったと言ってよい。しかしそれは、たまたまこの無菌室を維持することがアメリカの国益に合致していたからにすぎない。

     たとえば、アメリカがその基地反対運動に嫌気をさし、クラーク空軍基地とスービック海軍基地をフィリピンに返還し、一九九一年に自軍を撤退させたことを想起してみればよい。アメリカ軍が去ったその結果として何が起こったか、フィリピンは自国領だった島を中国に奪われる結果になったのである。

     国益とは、その時々の情況によって変わるものだ。日本という無菌室を維持して行くことは国益にならないと判断すれば、アメリカは躊躇なく引き上げていく。フィリピンはそのいい例なのだ。お荷物だと判断されたら、さっさと行ってしまうのがパワー・オブ・バランスに生きる世界の常識であり、現実なのである。日本という無菌室とて例外ではない。

    ●自衛隊を日本軍と改称せよ

     では、日本が体力をつけて、免疫力を高めるためには、なにから手をつければよいのか。まず第一にやらなければならないことは、自衛隊というボーイスカウトのような名前を改めることだろう。自衛隊ではなく「日本軍」にすべきなのである。

     そもそも、野球で「巨人軍」と呼んでいながら、国を守る軍人を「隊員」と呼ぶのはおかしいではないか。それはまるで、いじめられっ子が戦闘ゲームにふけるような自慰的行動でしかなく、滑稽としか言いようがない。

     日本の空軍と海軍の戦力は中国に勝っている。ここで名実ともに自衛隊を「日本軍」と改称することで内外に日本の気概を示すことになり、それが中国への抑止力になるだけでなく、日本人の自信を取り戻すことにもなるのだ。

    ●日本が核武装に踏み切るとき

     つぎに重要なことは、日本が核武装に踏み切ることだ。

     日本の核に対するアレルギーの強さは世界でも有名であるが、台湾の呂秀蓮副総統によれば、中国はすでに核搭載が可能なミサイル一三〇基を日本に向けて照準を合わせているという。石原慎太郎東京都知事も、中国はイザというとき、在日米軍基地をはじめ、東京という大都会にも容赦なく核ミサイルを飛ばすだろうと指摘している。

     多くの日本人はまさかと思うかもしれないが、私は、これはきわめて現実的な指摘であり、憂慮の念の表明だと思う。なぜなら、先にも述べたように、中国の熊光楷副参謀総長も朱成虎少将も公開の場で、アメリカに対する核ミサイル攻撃の可能性について明言しているからだ。これは一軍人の意思ではなく、中国政府そのものの意思と見たほうが正しい。アメリカに使えて、日本に使えないはずがない。アメリカと核戦争も辞さないとする中国の意思表明は、全世界のどこにでも核兵器を使うと宣言したに等しい。日本は心して中国のこの発言を噛みしめるべきであろう。

     核に対抗できるのは核しかない。拳銃を排除できるのは、拳銃を持った警察力以外にないのと同じ理屈である。丸腰の警察官に、拳銃を持った暴力団を退治させることは自殺行為である。日本は「非核三原則」を即刻廃止して、核武装に踏み切ることこそ、中国の核兵器に対する最大の抑止力になるのである。

     その点で、インドとパキスタンの核保有は一つのいい例になる。片方だけ核を保有すれば、報復される心配がないから、核戦争の可能性は一気に高まる。しかし、両方が保有するから抑止力が働き、今の両国間の平和が保たれているのである。アメリカもこの情況を認めざるをえなくなり、二〇〇六年三月に両国を訪問した米国ブッシュ大統領も、核に関する最新技術を提供すると申し出たほどだった。

     日本国内では、今でも核廃絶運動が盛んである。世界唯一の被爆国として、この運動に取り組んでいることは尊敬に値する。しかし、核を持っていない日本国内のみでこのような運動を展開することは非現実的だ。現実の世界は、日本も核なしで自国を守ることはできなくなっている。現に日本は今、アメリカの核の傘に守られているではないか。

     核は拳銃と同じ凶器である。盗賊に拳銃を持たせて、警察官に拳銃を持たせないなどということは、正常な社会ではまずあり得ない。だから、東アジア侵略の野心を持つ覇権国家である中国に核を持たせて、日本が持ってはいけないなど、道理に合わないことなのだ。

     日本が真の独立国家になるためには、他国の手を借りることのない完全な防衛体制が必要なのだ。そのためには、核武装が絶対不可欠の条件だと言っても過言ではない。当然、この国家防衛政策を打ち出したとたん、世界を巻き込むほどの大論争になり、日本国内も大騒ぎになるだろう。しかし、国家の存亡にかかわる大転換なのだから、それくらいの試練は当たり前のことで、日本はそこで耐えなければならないのだ。

    (次の連載12月8日)

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