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  • 2008年12月29日月曜日

    「台湾の声」【論説】五百旗頭・防大校長のデタラメ外交論

    【論説】五百旗頭・防大校長が中国メディアにデタラメ外交論

              永山英樹

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    十二月二十一日の中国評論社などの報道によると、人民日報社の環球時報が外交
    問題の専門家で防衛大学校長を務める五百旗頭真氏にインタビューを行ったそう
    だ。もちろん中国の報道に嘘が多いのは言うまでもない。本当に同氏は日本の学
    者として、このようなことを語ったのかと疑ってもいるが、一部を抄訳して紹介
    したい。

    話題になったのは五百旗氏が最近展開している「アジア太平洋の重要問題、難題
    は日米中が提携すれば解決できる」との主張についてだ。

    米中と言う核保有の大国の間に、日本のような政治小国かしゃしゃり出るなど可
    能なのか。案の定、この主張は米国の専門家たちから激しい非難を受けたと言う
    。日本ではほとんど反論がないと言うのは外交オンチの国民性のためか。一方、
    中国では賛成の声が多いそうだが、要するに中国にはそれだけ有利な主張だと言
    うことか。

    米国での五百旗氏への非難は「各国の関係で二等辺三角形と言う前提はない。日
    米同盟を放棄したいのか」と言ったものだったが、これに対して五百旗氏は「重
    大問題が発生し、米中が話し合いを行うとき、それに日本が加われば、緩衝作用
    を発揮できる」と説明したのだそうだ。

    しかしその際に日本にできる「緩衝」は、中国の好む範囲のものに限られている
    ことは、これまでの日中関係の内実を見ても明らかではないのか。

    それでは五百旗氏は、具体的にはどのような論を展開しているのか。こう述べて
    いる。

    「たとえば台湾の政局には変化が生じ、中国大陸を重視する友好合作路線を実施
    しているが、これで安心だ。しかし目下の台湾の指導者の支持率は下落傾向にあ
    り、もしその合作路線が順調に行かなくなれば、陳水扁のような強烈な独立派が
    出現することはなくなったが、以前と同じような局面が現出することもあり得、
    万が一でもそうなれば、中国には不満だろう。そして米国も参与して来て、一食
    触発の局面を形成することもあるだろう」とした上で、次のような日本の果たし
    得る役割を論じるのである。

    「そのとき、日本の首脳は米中首脳に協議しようと提議し、平和解決の道を探る
    ことができる。そうはせず、対立のまま突き進めば、両国にとっては悲惨だ。二
    つの超大国が戦争をしたら人類史上の悲劇をもたらす。アジア太平洋地域は日米
    中三国の対話体制と、いかに平和な環境を打ち立てるかを考えることが必要なの
    だ」

    そこで環球時報はたずねる。「日米中三国対話メカニズムが重要だと言うが、日
    米は同盟関係。対話では中国に不利な局面が出てきそうだが」と。

    これに対し、五百旗氏は中国側の懸念を払拭するため、こう述べる。

    「それは三人のゲームの宿命だ。誰であれ少数派は不利な立場に立つことになる
    。しかし日本も中国と同じ恐怖感はある。クリントン時代のように米中の外で孤
    立することが怖い。米国も東亜共同体などの日中の結合で東亜から駆逐されるの
    が心配だ。しかし三国が話し合いをすれば、この恐怖感からは抜け出せる。日米
    が提携して中国を説得する状況が現出するかも知れないが、もし米国が正義では
    ない戦争を行おうとするなら、日中はともに米国を説得することになる。米中が
    日本を説得することもある」

    以上を見るだけでもわかるだろう。この人物の論の組み立ては、中国が平和で安
    定している東亜の情勢を一方的に破壊しかねないトラブルメーカーだとの認識に
    は立っていない。もし中国が戦争を行うとしたら、それは台湾、そして米国によ
    る挑発の結果であるとの見地なのである。中国のそれとまったく同様だ。

    そう読み取ると、次の発言も理解しやすくなる。

    「もちろん韓国も東南アジア各国も関係してくる。APECも同様だ。しかし多
    くの国が参与すると問題解決は容易ではなくなる。重大問題に際会したら、関係
    緊密な少数の国は先に深く協議を行った方がいい。日中米はこの地域に大きな影
    響力を持っている。三国が合意に達すれば多元的な国連組織も容易に参与しやす
    くなるはずだ」

    台湾問題は韓国にも東南アジア諸国にもきわめて重大な問題である。つまり中国
    の脅威と言う安全保障の問題としてだ。それなのになぜ五百旗氏は、これら諸国
    を除外すると言うのかと言えば、それは邪魔だからだ。

    中国が「米中間で残る矛盾問題は台湾問題」と繰り返し強調するように、この国
    にとって台湾を防衛する米国こそが自国に対する最大の脅威である。そこで中国
    の側に立って日本が米中間の緩衝作用を発揮すべしと主張するのが五百旗氏だ。
    大義名分は戦争回避。幸い日本では反対論者が出ていない。もし東南アジア諸国
    から反対が出たら厄介だから、それらは最初から相手にするべきではない、と言
    うわけだ。

    もっとも五百旗氏によると、この主張に最も反対しているのが韓国だ。「韓国を
    除外するな。四カ国の対話メカニズムにしろ」との意見があり、これが米国の反
    対派と並ぶ最大の障害になっているそうだ。そこで五百旗氏は「日中韓三極体制
    で日米中三極体制を補強すればいい」と言うのだが、中国の利益の代弁に汲々と
    するこの人物は、とても理性ある外交専門家とは言えない。

    なぜなら五百旗氏が言う如く、悲惨な戦争に発展しかねない台湾問題は、韓国、
    東南アジアはもとより、世界各国が関与するべき重大問題なのである。

    ところが各国の関与を恐れている中国だ。世界中から台湾併呑と言う不法行為を
    妨害されたらたまったものではないからである。そこで五百旗氏は中国の望むと
    おり、台湾問題を巡る米中の「取引」への支援を、日本が買って出ろと訴えてい
    る。

    このように五百旗氏は中国の代弁を行っているだけであって、まともな外交戦略
    論を論じているのではない。その最大の証拠は、肝心要の台湾を対話に参与させ
    ろと一言も言っていないことだ。韓国は除外せよと言っても台湾を除外せよとも
    言っていないから、完全な台湾無視。まさに中国の望むとおりの姿勢である。

    台湾は中国の殖民地とでも思い込んでいるのだろうか。しかし殖民地の住民の意
    思すら尊重するのが今日の国際社会の趨勢だ。それでも理性と良識のある専門家
    の外交論だろうか。

    インタビューでは福田前首相の私的懇談会「外交問題勉強会」の座長を務めた当
    時、東支那海問題の平和解決を福田氏に訴えたこともあり、その問題での日中の
    合意がなったのだと回想する五百旗氏。福田時代の日中関係は「特別な信頼関係
    があった」と懐かしんでいるが、そこにはこれほどデタラメな人間の影響が作用
    していたと言うことか。

    そして今彼はなお、防衛大学校長の要職に就いている…。

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