【台湾週報】(10/2より) http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/07/071002e.htm
第3回台湾主権記念会(主催:日本台湾医師連合・日本台医人協会・日 本台湾語言文化協会)が9月30日、東京の浜離宮朝日ホールで開催され、 李鴻禧・台湾大学名誉教授による講演および、2007年東京「フォルモ サ」音楽会が行われた。
同日の記念会のために、陳水扁総統からは八字の「團結同心、捍衛主權」 (心を同じくして団結し、主権を守ろう)、李登輝前総統からは六字の 「捍衛台灣主權」(台湾の主権を守ろう)の祝賀の書がそれぞれ贈られた。
講演に先立ち挨拶した許世楷・台北駐日経済文化代表処代表は、台湾の 国連加盟申請について、パン・ギムン(潘基文)国連事務総長が国連第2 758号決議を根拠に「台湾は中国の一部である」として申請を受理しな かったことを批判した。また、台湾の国際的地位について、米国が「台湾 地位未定論」を堅持していることを指摘し、米国はパン事務総長の解釈に 異議を示し、日本もパン事務総長の解釈は不適切であると申し入れを行っ たことを説明した。そして、台湾は中国の一部ではなく、台湾は十分国連 に加盟する資格があると強調した。
李鴻禧氏は「国際法における台湾の位置づけ」をテーマに講演し、台湾 の国連加盟問題も含めて、国際法の観点から台湾の国際的地位を解説した。
李鴻禧氏は国際法から見た台湾の地位について、1943年に発表され た「カイロ宣言」は実際には宣言ではなく「一つのプレスリリースに過ぎ ない」と指摘し、これをもって「台湾を中国に返還する」という根拠とす るには国際法上効果がないことを強調した。そして、国際法上は1951 年のサンフランシスコ条約によって日本が台湾に対する主権を(中国に 「返還」ではなく)「放棄」することが決定されたと説明した。
台湾は国家であるかどうかについて李鴻禧氏は、「国際法から見て台湾 は絶対に国家である。領土、人民、政府が現実に存在していればそれは国 家である。大国の承認がなければ国家ではないという説もあるが、それは 覇権国家の説である。承認がなくても法的には問題ないが、政治運営には 支障が出ることもある」との認識を示した。
今年はじめて陳水扁総統が提出した「台湾名義による国連加盟の申請」 について李鴻禧氏は、今年は国連総会において4時間半にわたって討論さ れ、140カ国が台湾の加盟問題について自国の立場を発表したことに意 義があるとし、「台湾はかなり注目された。日陰から日なたに出てきた。 これで終わりなのではなく、これからが始まりなのである」と述べ、また 「大国が小国をいじめるのは、小国の同情を得られない」として、台湾は 今後有利になっていくとの見方を示した。さらに台湾の国連加盟申請が国 際社会で注目されはじめたことによって、「中国が台湾に武力行使するの は難しくなる」と分析し、仮に台湾が国連にすぐには加盟できないとして も、台湾の安全保障に寄与する効果があるとの考えを示した。
台米関係について李鴻禧氏は、「台湾は中国の一部」と主張する中国に 対し、米国は「承認」(recognize)を拒み、「認知する」(acknowledge) にとどめたことを指摘した。そして、米国の台湾との防衛協力を明記した 「台湾関係法」は、「台湾地位未定論」に基づいており、仮に「華北関係 法」のように中国の地方に対してこのような法を制定したとしたら中国に 対する内政干渉になるため、「台湾関係法」の存在によって「台湾は中国 ではない」ことがわかると説明した。
来年春に予定されている「台湾名義による国連加盟」を求める国民投票 について李鴻禧氏は、「通過すれば台湾独立宣言に等しい効果がある」と の考えを述べ、台湾の地位が確立されることへの期待を示した。一方で、 国民投票が通過しなかった場合は、「反台湾独立」の根拠に利用される恐 れがあるとの懸念も示した。
講演会の後、2007年東京「フォルモサ」音楽会が開かれた。台湾か らこの日、荘美麗(ソプラノ)、朱君苑(ソプラノ)、陳忠義(テノール) 、王恵民(テノール)、張寶郎(バリトン)、絲国蘭(ピアノ)らによっ て「四季紅」、「台湾百合」、「望春風」、「十八姑娘」等の台湾歌謡が 熱唱された。また、最後には「上を向いて歩こう」が日本語と台湾語で合 唱された。
《2007年10月2日》
『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html 『日本之声』http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe
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