台湾の声バックナンバーを検索(先頭に検索語を付け加えてください)

説明

  • このブログでは2007.9.22より、主に『台湾の声』のバックナンバーを掲載しています。
  • (このブログ設置以前のものを含む)バックナンバー一覧http://www.geocities.jp/taigu_jp/koe/
  • 未収録の最新の分はこちらhttp://www.emaga.com/bn/bn.cgi?3407をご覧ください。
  • 2007年10月1日月曜日

    「台湾の声」【論説】「自分の国」を目指す政治家

    【論説】「自分の国」を目指す政治家

     アンディ チャン

    アメリカでは安倍首相が就任したときも,突然の辞任もかなり好意 的な記事を書いたが、福田首相に対しては冷淡である。9月25日の ロスアンジェルスタイムスは、福田首相の就任第一日目の記事で、 新しいリーダーは自民党が「壁に押付けられた」状況で福田首相は 打開策を打ちだせない、とかなり悲観的な記事を書いている。

    福田首相は親中派といわれているだけでなく、内政問題を多く抱え ており、自民党は小泉の提起した経済改革を継続していけるか、膨 らんだ負債をどうするか、民主党とどう対処するかなど問題点を述 べている。要するに福田の示した「自立共生」路線とは内政面では 民主党と、外交面では中国とうまく融和して行くということだが、 敵意をむき出しにしている相手にどうやって共生路線を打ち出すの か、甚だ懐疑的である。

    日本の福田首相の自立共生路線と台湾の民進党総統候補、謝長廷の 打ち出す「和解共生」とは同一理念と見られるが、二つとも理想論 と妥協論で相手が妥協することに全体を賭けているが、相手が応じ なければ一切が水泡に帰する。融和路線とは相手次第なのである。

    日本と違って台湾人の直面している蒋系中国人と毛系中国人の敵意 と台湾人に対する侮辱は妥協できるものではない。謝長廷派の翻意 を促す運動は游錫コンが公金横領で起訴され、民進党内の路線闘争 を止めるため党主席を辞職すると表明したので更に一歩後退した。

    ●游錫コンの起訴と突然の辞職

    民進党の党首游錫コン(コンは方方を土に積み重ねる)が検察官に よって起訴されたのは国民党系の司法横暴であると言う声が高いが、 今回の辞職は起訴されたからでなく、民進党の指導部が党是といえ る「正常国家決議文」の内容から「国の名前を台湾国と正す」と言 う項目を取り消す決定をしたからである。

    游錫コンは辞職に際して「自分の国を名乗るのを恐れる民進党幹部、 自分の国家が正常な国になることも宣言できない党是は自殺行為に 等しい」と述べた。この指摘には満場「寂として声もなかった」が、 游錫コンを慰留する発言は蔡同栄一人のみだった。民進党の不甲斐 なさが悲しく、憤りを隠すことができない。

    「自分の国」の名前を正しく台湾と呼べない政党、その政党から選 出された総統候補者が、台湾名義で国連加盟を叫ぶのは台湾人民に 対する詐欺行為である。国の名前を正すことすら出来ない政党が国 民党に対し中華民国は亡国政府であると叫ぶのはどういうことか。 「台湾アイデンティティ」を叫ぶことができない政党が中間選民の 支持を求めて「和解共生」をスローガンとするのは「負け犬の媚声」 としか思えない。投票前から既に降参している。

    ●民進党の内部闘争

    事の起こりは民進党が数ヶ月前に提起した「正常国家決議文」に「国 名前を台湾に正す」と書いてあったことに起因する。この決議文と は民進党のマニフェスト(党是)と言えるもので民間団体の強力な支 持があった。ところがこの「台湾国と名前を正す」に反対したのが 謝長廷派で、彼らはこのような決議文を出せば「台湾国民の票が得 られない」と主張して削除を求めたのである。

    選挙に負けられないから自分の主張を枉げるということに民進党の 下級階層は失望したが、高級幹部は勝つためには党是からこの部分 を削除しても構わないと主張するものが多かった。このため一時は 決議文からこの部分を削除して通そうとする意向が強かった。

    しかし游錫コンは政党目標を通すことは大切なことであり、曖昧な 決議文は曖昧な民意しか得られないとして、この部分の削除に反対 したのであった。こうして党内の紛争はこの一語の削除問題で結論 がでなかったのである。党の目標を台湾建国にあると明言できない 民進党の不甲斐なさを浮き彫りにした事件である。

    ●折衷された正常国家決議文

    結論が出ないので民進党幹部九人が集まって討論したが、このうち 台湾国を目指すとハッキリ言ったのは游錫コン一人で、あとは張俊 雄行政院長の「選挙に負けたら一切が終わり」、邱義仁は「決議文で 明確に目標を書けば動きが取れなくなる」、呂秀蓮は「国際情勢は台 湾に不利だから決議文に台湾国を入れると総統選挙は難しくなる」 と述べた。

    そして台湾国を決議文に入れる事に反対をした張本人の謝長廷は 「このような決議文の内容だけで内紛が起これば、どうして選挙がや れるのか?」とまるで他人事のようで自分の責任ではないと言わん ばかりである。これにはまったく呆れてあいた口が塞がらない。謝 長廷を支持する人はこの幹部会議の原文(自由電子報、9-26)を読 んで確かめてもらいたい。

    紛糾が止まないので、幹部会議は陳水扁に調停を依頼した。すると 陳水扁は折衷策として、「国名を台湾国に正す」を削除して、代わり に「一日も早く台湾正名と新憲法の制定を目指す」と修正すること を提議し、游錫コン一人が反対したが、残り8人の幹部が賛成した ので游錫コンは「これ以上反対を続けても意味がない」として即時 党主席を辞すると声明した。

    ●自分の国を名乗名乗れない決議文

    最終決議文は以下の通りである:

    「運命共同体の台湾アイデンティティから出発して、民主制度の価 値を深め、台湾意識を強化し、中華民国の国号が既に国際社会で使 用できないことから、今後は「台湾」の名義で国連加盟を申請し、 世界衛生組織(WHO)などの国際組織に加入し、一日も早く台湾正名、 新憲法の制定を図り、適当な時期に住民投票を行って台湾を主権独 立した国家とする」

    この決議文はつまり、台湾の国名は今でも中華民国であるが、これ は国際上認められない。だから台湾の名義で国連に加盟すれば台湾 は国際的に認められる。そうしてから一日も早く住民投票で独立国 となる努力をするというものである。

    言い換えてみれば、「台湾の名義で国連に加盟すれば台湾は認められ るから、中華民国を棄てることができる。これがわれわれの決議文 である、他力本願で独立を果たす、皆に助けてもらいたい、アラー アクバー、アーメンソーメン、ナンマイダァ」。こんな幼稚な決議文 は国際間で笑いものにされるだけである。

    アメリカは当初から台湾名義で国連加盟するのはつまり変相的な台 湾独立である、と声明している。つまり台湾名義で国連加盟を果た すのは、台湾独立を他人にやってもらうことだと言うのだ。

    こんな児戯に等しい決議は誰が見てもすぐにわかるはずで、国民党 の発言人・蘇俊賓はこの決議文について「民進党は文字の遊戯に明け 暮れて選挙のために文字の微調整をしているが、民進党の現状と本 質は変っていない。人民は早くからこのような民進党の本質を見極 めている」と発表した。

    ●「台湾国と正名する」と言えば選挙に負ける?

    民進党はなぜ国名を台湾国とする正名制憲ができないで、国連に頼 るとか、他国が台湾を認めてくれることを夢見るのだろうか?結論 を言えば謝長廷派の恐中病、中華思想の毒素が抜けていないからで ある。彼らは今でも蒋系中国人が恐い、だから台湾アイデンティテ ィを前向きに出せば「選挙に負ける」(オオカミが来た)と言って、 それを聞いた民衆は恐れ戦いて彼に投票しないというが、果たして そうだろうか?「選挙に負ける」と恫喝すればどんな阿呆な理由も 民進党幹部は受け入れる、どの幹部も万が一、選挙に負けた時の責 任を負いたくないのである。

    台湾人の目指す目標は台湾立国である。それを主張することを恐れ る民進党の候補者がいて、それを批判できない民進党幹部がいて、 みんなで「曖昧な台湾」名義を使うことで国際諸国が「曖昧な台湾」 を容認すると思うのは愚劣である。

    筆者は台湾の将来を憂うから何度もこれを書くのであって、謝長廷 派の批判は中傷ではないことを再三表明しておく。読者の中には選 挙に負けることを憂慮して、筆者の文意を理解しようともせず、謝 長廷を批判すれば選挙に負けるという人もいる。選挙で台湾アイデ ンティティを前向きに持ち出せない弱腰の謝長廷派では負ける、と 筆者は懸念している。

    来年の選挙に負ければ敗選の「全責任は謝長廷派の和解路線と、台 湾立国を明確に言えない民進党」にある。民進党の幹部は、張俊雄 のように、負けたら困ると言うのは止して、「負けないようにするに はどうすべきか」を討論すべきである。責任のなすりあいは止して 路線を明確にすること、これが出来なければ選挙に勝つことは非常 に難しい。

    だが、筆者の懸念は其処だけに留まっているのではない。選挙で馬 英九に負けるのは最悪である。しかし、謝長廷が総統に当選したあ とで親中路線を歩めば、彼を選出した民衆が失望するだけでなく、 台湾独立が大きく後退することをもっと心配している。民進党が謝 長廷を総統候補に選んだから彼に投票する、しかし台湾独立を希求 する人々は、彼に対する警戒心を忘れてはならない。

    『台湾の声』  http://www.emaga.com/info/3407.html

    『日本之声』 http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe (Big5漢文)

    <投稿はこちら> koe@formosa.ne.jp

    0 件のコメント: