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  • 2011年8月16日火曜日

    「台湾の声」【宗像隆幸】米国、中国との冷戦に突入(13−15章)

    米国、中国との冷戦に突入(13−15章)〔2011.9.4校正〕

    国名を台湾共和国に改めて、台湾が国際社会の承認を得る絶好機到来 2011年 6月  宗像隆幸

    http://www.wufi.org.tw/jpninit.html

    13、米国政府も「台湾が『1つの中国政策を放棄』すれば、国交を結べる」と言明

     1971年に中華民国が国連から追放された後、それまで中華民国を承認していた国々も、次々に中華人民共和国を承認して、中華民国と断交した。その後、国民党も民進党も、台湾が国際社会から承認されるために必要な対策を取ったことはない。逆に、台湾は国際社会への復帰を希望していない、と誤解される行動をとった。それは、国民党政権時代の1993年から民進党政権になった後も2006年まで、中華民国の国名で国連加盟を申請し続けたことである。

     1995年7月13日、クリントン米政権のウインストン・ロード国務次官補(東アジア・太平洋担当、元駐中国米国大使)は、「台湾は我が国と公式な関係を構築する意図を持っていない。なぜなら、台湾は『1つの中国政策』を堅持しているからだ」と語った。さらに翌日、ロード国務次官補はこの発言を補足して、「台湾は『1つの中国政策』を堅持して、自由な国になることを自ら拒否している。台湾の政府は、台湾が中国と分離した国家であることを希望していない」と述べた。台湾がCHINA(中華)のつく国名を改めて、領土も中華人民共和国と全く別の国家であることを明確にすれば、台湾は主権独立国家であることが国際社会で認められて、米国と国交を結ぶ事も可能である、とロード国務次官補は言明したのである。2期目のクリントン政権が中国一辺倒になってしまったのは、台湾の政府にも大きな責任があるのだ。

     台湾に関心を持つ何人もの外国の大統領や首相などが、「台湾が中国とは別の国家であることを明確にすれば、台湾を承認できる」と話したことがある。2000年になってもなお、チェコのハベル(Havel)大統領は、「国名が中華民国ではなく、台湾であれば、承認できる」と語っている。この年、民進党は総統選挙で勝って政権の座についたにもかかわらず、国民に対して「国名を変更すれば、台湾は他の国々と同じく世界の平等な1員として承認される事」を、わかりやすく説明することさえしなかった。

     中華民国の国名を使用している限り、国際社会が台湾を主権独立国家として承認できないことは、国連憲章を一見するだけでわかることである。国連憲章のどこにも「中華人民共和国」の国名は書かれておらず、「中華民国は国連安全保障理事会の常任理事国である」と書かれたままなのに、中華人民共和国がその地位を占めているのだ。このことが、「中華民国は滅亡して、その権利は中華人民共和国に継承された事」を意味しているのは明白ではないか。

     陳水扁がまだ総統であった2007年、台湾政府は初めて「台湾」の名称で国連加盟を申請した。この時、潘基文・国連事務総長は、「台湾は中国の1部である」として、この申請書の受理を拒否した。台湾の国名が中華民国のままだから、国連事務総長までがこんな誤解をしたのである。この時、米国や日本などは「台湾は中国の1部であるという潘事務総長の解釈は誤りである」と指摘した。その誤りの根拠として、米国も日本も「台湾は日本がサンフランシスコ平和条約で放棄したが、その帰属は決定されていないから、台湾の法的地位は未定である事」を説明したと思われるが、そのことは公表されていない。米国も日本も、1971年の国連総会の前に、中国に対して「台湾の法的地位未定については公言しない」と約束したことを、今なお守っているのである。40年間も「台湾の法的地位未定」が公言されない事態が続いていることも、「台湾は中国の1部である」と国際社会に誤解される一因になっている。

     民主進歩党の基本綱領には、「台湾主権の現実に立って独立建国し、新憲法を制定することによって、法と政治の体系を台湾社会の現実に合わせると共に、国際法の原則に依拠して再び国際社会に復帰する」「国民主権の原理に基づいて、自主自立した主権を持つ台湾共和国を樹立する事と、新しい憲法を制定するとの主張を全台湾住民による公民投票によって決定すべきである」と、明確に書かれている。

     人民自決の権利は、国際法で確立された全人類の権利である。しかし、ある国の支配下に置かれている地域が、人民自決の権利を行使して新しい独立国家を創建する場合には、いろいろと困難が伴う。ところが台湾の場合、いかなる外部の国家にも支配されていない事実上の独立国家だから、国民投票で「台湾は我々台湾人民の主権独立国家であり、領土も中華人民共和国とは全く異なる国家である」事を確認するだけで、「台湾の法的地位未定」は解消して、台湾は国際社会に承認される資格を持つ主権独立国家になるのである。民進党は、2000年から2008年まで政権の座にあったにもかかわらず、基本綱領に定められた台湾共和国を樹立するために、国民に対して十分な説明さえ行なわなかった。そればかりか、民進党は「中華民国は主権独立国家である」と、全く国際社会で認められていない主張を行なうようになったのである。台湾には、中華民国と国交を締結している国が23か国存在することを、中華民国が主権独立国家であることの証拠として挙げる人々もいる。この23か国のGDP総額は、台湾のGDPの半額に過ぎない。もし、中国がその政治力と資金力を用いて、これらの国々を台湾と断交させようとすれば、簡単にできることであろう。しかし、中華民国を承認する国がなくなる事によって、台湾が国名を台湾共和国に改めてしまったら、中国の「台湾統一」の名分は失なわれ、それは侵略行為であることが明白になるので、中国はそのような手段を取らないだけのことだ。これらの23か国が中華民国を承認していても、台湾が国際社会で孤立している現状に変わりはないから、中国にとっては痛くも痒くもないのである。

      14、人民自決の権利は、全人類に認められた基本的人権である

    現在、世界で主権独立国家として承認されている193か国のうち、3分の2近くは第2次世界大戦後に独立した国々であり、その多くは台湾と同じように先進国の植民地であった。大戦後、植民地の独立は世界的な潮流となり、殆どの旧植民地が独立した。台湾は文化的にも経済的にも最も進歩した植民地の1つであったにもかかわらず、中華民国に占領されたために、台湾だけがこの大潮流から取り残されてしまったのである。

     1960年に国連総会が決議した植民地独立付与宣言は、第2項〔自決権〕を次のように定めている。 「全ての人民は、自決の権利を有する。この権利によって、全ての人民は、その政治的地位を自由に決定し、その経済的、社会的および文化的発展を自由に追求する」

     1966年に国連総会が決議した国際人権規約は、第1条〔人民の自決の権利〕の第1項に、植民地独立付与宣言の〔自決権〕をそっくりそのまま採用している。人民の自決権は全人類の最も基本的な人権であることが、国際法によって規定されたのである。

     この国際人権規約は、台湾の立法院が決議し、馬英九総統が署名したことによって、2009年12月10日の国際人権デーに台湾の国内法となった。その2日後に馬英九総統は、「台湾の国民1人1人がこの法律を引用できるようになった。この法律は、他の法律よりも優先的に適用される」と述べた。

     台湾国民は、国際法だけでなく、国内法によっても、人民自決権を行使する権利を保障されたのだ。台湾国民がこの権利を行使して公民投票を行い、台湾共和国を創建して中華民国を廃棄することを決議すれば、台湾の人民自決は達成されるのである。

       15、台湾共和国の創建は、世界の利益と一致している

     人民の自決権は全人類に保障されるべき最も基本的な人権であるが、それが国際社会の利益に反する場合、その実現は容易でない。台湾の人民が自決権を行使して台湾共和国を創建することは、国際社会の利益と一致するのであろうか。

     人類にとって最大の災いは、大規模な戦争であろう。東アジアで戦争が起こり得る危険地帯として常に挙げられるのは、朝鮮半島と台湾海峡である。

     朝鮮半島が危険地帯とされるのは、「北朝鮮は何をしでかすかわからない不可解な国である」と思われているからであろう。北朝鮮は、韓国に対する非常識な攻撃を繰り返してきた。昨年(2010年)も、3月に北朝鮮の攻撃と思われる事件で韓国の哨戒艇が沈没して46人の死者を出したし、11月に北朝鮮は韓国の延坪島を砲撃した。もし、北朝鮮がソウルを砲撃したら、ソウルは壊滅すると言われており、核ミサイルで日本を攻撃する可能性も取り沙汰されている。しかし、北朝鮮の人口は韓国の2分の1で、北朝鮮の国内総生産(GDP)は韓国の40分の1もないと見られている。中国からオイルや食糧の援助がなければ、存続さえできない北朝鮮に大規模な戦争を続ける能力はない。しかし、「北朝鮮は何をやるかわからない」と恐れられており、「その暴発を阻止できるのは中国だけだ」と思われていることは、中国にとって好都合である。中国にとって北朝鮮は利用価値があり、しかも中国の唯一の属国であることを考えれば、中国が北朝鮮を大事に扱うことも理解できる。

     しかし、朝鮮半島と違って、台湾問題は間違いなく世界の重大問題である。もし、中国が台湾を支配下に置き、3千メートル級の高峰が連なる台湾の中央山脈に多数のミサイルを配置すれば、いかに強力な米国艦隊といえども南シナ海に出入りする自由を失い、南シナ海は完全に中国の内海にされてしまう。そうなれば、南シナ海に面した東南アジア諸国が中国の支配下に置かれるだけでなく、南シナ海のシーレーンを命綱とする日本など多くの東アジア・西太平洋の国々は、中国の実質的な属国にされる可能性が大きい。台湾を奪取すれば、中国は東アジア・西太平洋の覇者になり得るのである。従って、中国の台湾に対する武力行使の可能性は否定できない。もし、中国が東アジア・西太平洋の覇権を握れば、中国は世界で群を抜く超大国となり、米国の独立さえ脅かされることになる。そのような悲劇を避けるために、中国が台湾を攻撃した場合、米国と東アジア・西太平洋の国々は中国と戦わざるを得ないのである。

     では、どうすれば、台湾海峡の平和を守れるのであろうか。中国は「台湾は中国の領土であり、台湾が統一に応じなければ、武力行使も辞さない」と公言している。普通の国家に対してこのような威嚇を行なえば、侵略行為として世界から非難され、制裁を受けるであろう。中国のこのような非行が国際社会で黙認されているのは、台湾が主権独立国家として承認されず、国際社会で孤立しているからであり、また台湾を中国の領土と誤解している国が少なくないからである。台湾が他の国々と同じように世界の国々から承認されたら、台湾に対する武力行使は世界を敵にまわすことになるので、中国はそのような行動を取れなくなるであろう。台湾共和国の創建は、世界平和にも、東アジア・西太平洋の国々の独立維持にも、貢献することになるのだ。台湾共和国の創建は、中国を除く世界の国々と利益が一致しているのである。

     (続く)

      

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