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  • 2014年9月19日金曜日

    「台湾の声」【文字化け修正】「台湾の主権と公民運動」ー台湾全土に燃え広がるひまわり学生運動

    多田恵「台湾の主権と公民運動」ー台湾全土に燃え広がるひまわり学生運動

    〔第10回台湾主権記念講演会2014.9.7 京王プラザホテル配布資料を配信用に再編集〕

    1. 台湾の主権
    1.1 主権について

    主権国家が享有する権利(i)
    (1)国内事務についての排他的制御権
    (2)外国人の入国許可あるいは強制退去の権力
    (3)外交代表が他国において特権を享受する
    (4)その領域内の犯罪についての管轄権

     米国では台湾は未承認国なので、台湾が米国に派遣している事実上の外交官は、(3)外交特権を持っていない。別途、協定によって、特権を与えている(2011年、カンザス台北経済文化弁事処処長・劉[女冊][女冊]による外国人労働者契約詐欺事件)。台湾はその領域内において主権を持っているが(対内主権)、国際社会から承認されていないために対外的主権を享受していない。したがって国際社会への参加も部分的にしか認められていない。

    1.2 台湾の主権についてのさまざまな考え(ii)

    A. 台湾は独立国家
    A1. ただし制憲正名等が必要(李登輝・台聯、陳水扁、李鴻禧、
    林成蔚〔2007年、民進党・台湾国家正常化決議文〕、
    姚嘉文、許世楷、陳隆志)
    A2. 制憲正名を主張しない(2012年総統選挙時の蔡英文氏)

    B. 台湾は独立国家ではない
    B1. 独立宣言等が必要(許慶雄、黄居正、陳茂雄)
    B2. 現当局に取って代わる必要がある
    B2-1. 平和的移行(王雲程、沈建徳[しん・けんとく])
    B2-2. 流血革命(劉重義)

    C. 台湾は中国の一部
    C1.(中国と台湾は)2つの異なる政治実体(馬英九政権?)
    C2. さらなる統合を(愛国同心会)

    (厳密には一次元で作表することはできない)

    1.3 台湾主体の教育(地理を例に)

      米国の中華人民共和国政府承認(1979)、動員戡乱時期臨時条款廃止(1991)、政権交代(2000)、国民党の政権返り咲き(2008)などが変更の契機になっているようだ。民進党時代に「一辺一国」の立場が貫かれていたことがわかる。

    地理教科書のサンプリング調査(課綱[学習指導要領]の年度によって並べた)

    国民小学:1975「北平」;1993「台湾地区/大陸地区」;2000「台湾/中国」;2003「台湾/中国」;2008「台湾/中国大陸」

    国民中学:1994「北平」;2000「我国/中華人民共和国」;2003「我国/中華人民共和国」;2005「我国/中華人民共和国」;2008「我国/中華人民共和国」

    高級中学:1971「北平」;1983「中共統治区/台湾」;1995「本国地理」;2005「台湾/中国」;2008「台湾/中国」(2008年より、国防科では「中国」が「台湾」にミサイルを向けていることを教えるよう指導要領で定めている)

    なお、「北平」とは、「北京」を認めず「北平」と呼んでいることを示す。

    1.4 太陽花前夜

    国家アイデンティティーの変遷(iii)
    西暦:台湾人:両方:中国人
    1992 年:23.7%:59.7%:23.4%
    1998 年:40.6%:46.4%:10.6%
    2003年:59.9%:30.0%:9.0%
    2013年:73.7%:24.2%:1.1%

    1.5 主権を確立するために
     台湾が国際社会から承認されることで主権が確実に保護されるようになる。馬英九政権が行っている事実上の中国国内化をやめさせ、将来的には、制憲正名を行って、誰からも疑問を容れない国家を建てることで、国家承認を受けられる資格を充実させる必要がある。

    2.太陽花学運(ひまわり学生運動)
    2.1 概要
     「海峡両岸服務貿易協議」に反対する学生たちが、3月17日の立法院の委員会で、それを審査するはずの委員会で、開会から30秒で審議終了および閉会が宣言されたことをきっかけに、18日の晩から4月10日まで立法院の本会議場を占拠した学生運動。その間、23日晩から一部の参加者が行政院に侵入し、翌日未明に行政院およびその周辺で5000人の警官を投入して暴力的な強制排除が行われ、123人が負傷した。その中には、台湾団結聯盟の立法委員・周倪安も含まれる。3月30日には世界17国49都市での声援デモおよびケタガラン通りで50〜70万人のデモが行われた。平和的でゴミひとつない統制の取れたデモであった。天安門事件に関わり、台湾にいる王丹、エルケシュ・デレット(吾爾開希、ウーアルカイシ)も立法院で学生たちと会った。

     日本では主に東京・京都・福岡で集会があり、計900名が参加した。ジャーナリストの山際澄夫氏も東京会場を訪れた。なお在日台湾人団体は3月20日に共同声明「 学生が台湾の民主を守ることを支持する」、26日に「馬英九総統および執政集団への厳粛な呼びかけ」を発表し、26日に台北駐日経済文化代表処前 では、「頑張れ日本!全国行動委員会」と「台湾研究フォーラム」が主催する「頑張れ(加油)台湾民主運動! 緊急国民行動!」が行われた。

     また30日の東京での活動を運営した早稲田大学の台湾人留学生たちはその後「拿山瑪谷東京読書会(ナサン・マグ東京勉強会)」を組織して活動を続け、京都大学や北海道大学の台湾人留学生とも連携しているようだ。

    (1)參與團體(Wiki): 黒色島國青年陣線・反媒體巨獸青年聯盟・臺灣大學研究生協會・反黒箱服貿行動聯盟・台灣守護民主平台・公民1985行動聯盟・地球公民基金會・公投護台灣聯盟・緑色公民行動聯盟・婦女新知基金會・台灣農村陣線・人本教育文教基金會・台灣勞工陣線・青平台基金會・台灣人權促進會・台灣教授協會・民主進歩黨・台灣團結聯盟・親民黨・緑黨・人民民主陣線・PLURS電音反核陣線・台灣親子共學教育促進會

    (2)重要人物(Wikiより一部修正): 陳為廷・林飛帆・黄國昌・施彦廷・江其冀・黄郁芬・頼品[女予]・李郁欣・王雲祥・許立・陳廷豪・魏揚・曽柏瑜・游騰傑・顧立雄・曽威凱・洪瑞璞・王奕凱 ・孔祥[王宣]・柳林[王偉]・頼中強・呂忠津・蔡培慧・妖西・蔡丁貴・洪崇晏・王丹

    2.2 評価

    2.2.1 呉介民(iv):台湾公民社会による中国要素への抵抗。大腸花論壇に見られるように、「台独の汚名」を脱構築し、中国政府による台湾独立支持者への恫喝に抵抗した〔解構了「台獨的汙名」,也抵抗了中國政府對台灣獨立支持者的恫嚇〕。

    2.2.2 許世楷(v):三度目の国家消滅の危機で立ち上がった。
    (1)「一度目」:1949年に国民党政府が中国から駆逐され台湾に亡命独裁政権を樹立し、台湾が中華人民共和国による侵攻の危機に瀕した。朝鮮戦争の勃発を受けて米国が「台湾中立化」を宣言して第七艦隊を台湾海峡に派遣したので危機を逃れた。
    (2)「二度目」:1971年、蒋介石政権が国連から追放されたが、台湾は、経済発展と民主化によって危機を乗り越えた。

    2.2.3 多田恵(vi):
    民主化の歴史に逆行する不公平な政治の根絶をめざす社会変革運動

    2.2.4 柚原正敬(vii):政党に頼らない運動で台湾民主主義のターニングポイント。野百合学生運動からの影響。台湾人の独立意識に大きな影響。

    2.2.5 何明修(viii):「服貿」は正義と中国要因の二つが関わる問題。ネットの利用、お笑い(搞笑)路線、受動的な命名などが今回の特徴。学生という知的集団に限られない若者世代の運動。

    (1)公平正義:(a)拆遷/都更争議:士林王家,華光社區,紹興社區,南鉄東移;(b)土地徴收/開發:國光石化,大埔案,美麗灣;(c)弱勢勞工:華隆罷工,全國關廠工人連線

    (2)中國因素:(a)2008年的野草苺學運;(b)2012反媒體壟斷

    2.3 影響
    2.3.1 台湾:李・陳政権が進めた国際化に逆らった馬政権の傾中を引きずり戻した(許世楷ix)。民進党に刺激を与えた(1,2)。台湾の「公民運動」の機運を盛り上げた。反原発運動、張士軍噴漆(ペンキがけ)追い返し事件(6.27)、101前での愛国同心会と台独グループとの対峙(3)。

    (1)頼清徳・台南市長発言:「台独は台湾人民の最大のコンセンサスだ。民進党の綱領を解決しても台湾が独立を主張することは解決できない」(2014.6.7)。これに対し、中国国務院台湾弁公室のスポークスパーソン范麗青は「(台湾の将来は)台湾同胞を含む全中国人民が共同で決定する」と反論した(6.11)。

    (2)蔡英文・民進党主席発言:「台独綱領は民進党創党期の目標で、この世代の民進党員および台湾人民の願い且つ理想である。」「台湾の民主化にあわせて我々は深い台湾意識を建設した。この台湾アイデンティティーおよび独立自主を堅持する価値観は既に若者世代の天然成分となった。このような事実、このような状態をどうやって「凍結」し、どうやって「破棄」できるというのか」(2014.7.19)。

    (3)[公民記者豪猪台訊] (Facebook 2014.8.24 より)
    「今回"台湾独立観光団"に参加したのは百余人。観光団は台独鯨旗および台独タオル等でスタンスを示し、"台湾、中国、一辺一国"と声を挙げながら、愛国同心会メンバーを包囲した。台独ゴッドファーザー史明氏も現場を訪れ声援を送った。」

    2.3.2 米国:3月24日、国務省スポークスパーソンMarie Harf (瑪麗·哈夫)が、「米国は台湾の民主的体制を支持する」と発表。4月10日、米国在台協会(AIT)のスポークスマンMark Zimmer(金明)が、馬英九が主張していた「服貿」と「TPP」の関係を否定。

    2.3.3 中国:4月16日、国務院台湾弁公室スポークスパーソン范麗青が両岸協議監督法制化について「台独勢力が両国論と一辺一国論を条文に入れようとしている」と批判。

    2.3.4 香港:「占領中環(セントラル占領)」51万人デモ(7月1日)。行政長官の普通選挙を求める。

    2.3.5 ベトナム:反中デモ(5月)?

    2.3.6 日本:社会の台湾社会への認知が高まる。台湾がハワイを抜いて「夏休みに最も行きたい国」に。

    2.4 太陽花学生運動の今
    (1) 公民運動:8月には、各地で連日のように20名程度の集会。たとえば「哲学星期五」活動は全島に広がっており、100箇所に増やしたいと考えている。

    (2) 公民投票法改正運動。「鳥籠公投法」の修正を目指す。特に有権者の1/2の投票がないといけないというハードルの撤廃運動。「島国前進(Taiwan March)」が9月5日の桃園をはじめとして、各地で署名活動を進めている。

    (3) 村里長選挙(7853席)を含む地方政治への青年の参加。柱仔脚[thiau-a-kha](柱の根っこ)といわれる集票システムに公民運動の世代が取り組み、台湾の選挙文化改革を目指す。哲学星期五の運営者や、欧米留学の台独派青年を含む「基進側翼」などが取り組んでいる。

    (4) 「公民組合」結党。弁護士・林峯正、作家・林世[火日/立]、中央研究院副研究員・黄國昌らが発起人。林義雄氏の考えを受け継いでいて、2016年の立法院選挙のための政党だとされる。

    2.5 注目点

    2.5.1 民進党に対する厳しい発言
    たとえば、林飛帆は<林飛帆:公民団体が選挙に参加するだろう−游錫[方方/土](ゆう・しゃくこん)指名で民進党に失望の極み>と題する記事で、民進党の一部のリーダーを強く批判している(x):

    「たとえば尤美女や若い「中生代」の民進党立法委員とは協力しているが、多くの民進党議員団の幹部とは協力していない。はっきり言えば、柯建銘のスタンスと価値観はなんなのか?立法院占領時の蘇貞昌主席の価値観と態度は何なのか。これらは柯建銘とか個人の問題ではなくて、民進党が体質として価値としてであって、游錫[方方/土]を新北市長に出すのは民進党の硬化を示している。世代の正義を語るなら、若者に機会を与え、能力のある人が出てくるようにすべきだ。自分の派閥を固めたいだけではないか。青年の参政とか「民主の小さな草」とか言っておきながら、同時に勝つ可能性のきわめて低い人を選挙に出すなんて、いったいどんな期待があるというのか。」

    しかしながら、新北市ではまさに游錫[方方/土]氏の派閥の議員が多く集票に便利だから、この人選には合理性があるという見方もある。

    2.5.2 左翼からの期待
    団結して現有の秩序を転覆し「正義」を実現しようという左翼的思考が確かにこの学生運動にもあり、日本の左翼活動にも共鳴を与えている。保守派である日本会議地方議員連盟が林飛帆らを日本に招くという報道があったときに、左翼から不満の声が出た。しかし、正義の実現は常に求め続けることのできる永続的で普遍的な問題であるが、台湾が直面している中国の圧力は切迫した問題である。中国要因が大きな問題である以上、日本の保守派と協力しつつ、左翼にも理解を求めるというのが得策であろう。北海道大学に留学中の許仁碩氏は台湾の学生に対して日本と台湾におけるねじれ現象を紹介している(<從三月社運成員訪日風波,看台日社運交流問題>,《想想論壇》9月2日)。

    2.6 太陽花の思想的背景に林義雄氏の理念
    2.6.1 林義雄氏の略歴
    1941年に宜蘭の羅東で生まれた林義雄氏は、台湾大学を出て弁護士となり、1977年に無党籍で台湾省議員に当選して、党外運動に加わり1979年の美麗島事件の関係で国民党政権に捉えられ軍事裁判中に、林家血案(林家惨殺事件)が起きて、母親と双子の娘を失った。懲役12年という判決を受け、1985年にはハーバード大学大学院に留学、またイギリスや日本でも研究を行い『台湾共和国基本法草案』などを著述。帰国後は慈林教育基金会を設立して社会運動家を養成し、また核四公投促進会(第四原発国民投票促進会)を設立した。1996年の総統選挙では民進党内の予備選挙に出馬して、彭明敏に破れる。1998年に民進党主席に選ばれ、2000年の総統選挙で陳水扁氏を当選させたが、4月20日に主席を辞任。第四原発国民投票などをめぐって党執行部と意見が合わず、2006年に民進党を離れた。「台湾の良心」と呼ばれる。

    2.6.2 <永為民主國家主人─為退出民主進歩黨告同志書(永遠に民主国家の主人たらん−民主進歩党脱退について同志に告ぐる手紙)>

    2006年1月24日、民進党を離れるにあたって林氏が発表した文書。次のような主張がある:

    (1)政党は志を同じくするものが政治権力と地位を手に入れて社会正義を実現するための団体であるべきであり、党務か公職に関わろうとする者にとってのみ参加の必要があるものだ。

    (2)一般の人民は国家の主人としての立場に立つべきで、さまざまな政党に対して、随時、支持したり捨てたりする超然たる地位を保持すべきである。したがって、政党には一時的な支持者しか必要ではなく、永久の党員は必ずしも必要ではない。さもなくば、人民それぞれが政党の党員となって、政党が人民が互いに対抗する集団のようになってしまったら、人民は主人としての超然的な地位を失ってしまう。

    (3)政党は他の政党を国家を進歩させるための同僚と考えるべきであり、互いに敵視すべきではない。

    2.6.3 太陽花と林義雄氏の理念
    直接的な証拠は揃っていないが、太陽花と林義雄氏には次のような共通点がある。
    (1)国民党と民進党という対立の構図を崩そうとしている
    (2)人民の想いが直接反映できる公民投票による民主主義を追求している
    (3)游錫[方方/土]氏と仲が悪い(らしい)

    2.7 太陽花と台湾の主権
    2.7.1 林飛帆(xi)

    問:台独を主張しているが、台独と社会運動は関係があるか。
    林:僕が知っている台湾独立というのは、台湾を正常な独立国家にして、ぼろぼろの憲法の束縛を受けなくていいようにすることだ。この国の憲法の枠組みは非常におかしなものだ。そして、中国とは「国と国」の関係であって、馬英九の言う一国二区、2つの地区という関係ではない。

      政治家は台湾が既に独立した国家だと言うが、これではみんなの疑問に完全には答えていない。なぜ公民憲政会議という主張が起こるのか。それは現在の憲政の枠組みの位置づけが不明で、あいまいな空間をたくさん作り出してしまっている。このせいで僕たちが今、中国との往来においてたくさんのおかしな点が生じ、僕たちが他の国と関係を持つことを不可能にしている。中国と正常な友達になることさえできない。僕らは中国と親善関係を築くことに反対ではないが、問題は僕たちの憲法のせいで僕たちはいつも「友達以上、恋人未満」の境遇だと規定されていて、はっきりとした位置づけが無いということだ。

    問:現実に縛られて、執政者は曖昧な空間を作ることしかできないのか。
    林:政治指導者は政治的な考慮があって、中国の反対などのを心配するものだが、台湾の一般市民としては、もし今日、僕らの主張がはっきりしていて、僕らの民主の原則の下で僕らの憲法制度を矯正しようとするならば、人間ドックを受信して、もしくは修理に出さなければならない。もし台湾の絶大多数の市民がそれを望み、かつ、恐れなければ、いったい誰が反対できるというのか。みんな脅しは心配だ。しかし経済カードは誰にもっとも有効か。大きな利益を持つ企業に影響するのだが、それらの利益は僕らとは関係がない。僕らは彼らと同じように心配したり、彼らのこういったコントロールを受ける理由などない。

    僕らが今していることは、「両岸協議監督」制度・公民投票法の修正・選挙改革・さらには監察院を廃止すべきかどうかといったことを含め、すべて台湾を正常な国家に向かわせるための一環だ。今やることは、旗を立てて台独をすることではなく、僕らは一歩一歩、少しずつ体制を矯正することだ。これらの体制の修正が済んで初めてさらに一歩進んで僕らの国家体制がどのようであるべきか論じることができる。まず人民に関わる空間を与えてほしい。

    これが台独運動なのかどうかはポイントではない。ポイントは、まず台独の目標をはっきりさせることにある。もっとも大切なのは主権在民の原則を拡張させることにある。国民主権を実現することが台湾が正常化へ向かうために最も重要なことなのだ。

    2.7.2 黄国昌(xii)

    「台湾にもっとも侵略の野心を持っていて、最大の脅威をもたらしている敵国とは、千基にも上るミサイルを台湾に向けている中華人民共和国にほかならないことは常識だ。

      もちろん張顕耀が委任されたことに背いて、機密を中華人民共和国政府に漏らしたかどうかという事実については必ず調査の上で認定しなければならない。しかし、もしその答えがYESであるとして、それなのに現在の政府が両岸を「国と国」の関係だと認めないために、外患罪で追及できないとすればこれは我が国の法律にとって最大の諷刺となるであろう。

      もし中国に機密を漏洩した通敵の主体が、不幸にして我が国の元首であった場合にも、外患罪で追及することができないというのだろうか。それでも憲法52条の刑事免責を与え、在職中には刑事訴追ができないというのか。憲法52条の「内乱・外患罪を除く」という除外規定に当てはめることができないのか。

      これはもともともっとも単純な法律の適用問題なのに、こんなに複雑になるとは、現行憲法の奇妙さと非現実性を再度白日の下に晒すものだ。つまり「ひとつの中国」の出鱈目および「中華人民共和国は存在しない」という空想である。

      これはもはや観念の遊びではなく、台湾国家安全と前途に関わる問題だ。もし馬英九政権が率直に「両岸は国と国との関係である」と認めたくないのだとしても、少なくとも、憲政体制改革の必要性に誠実に向き合うべきである。」

    3. 結論

      太陽花学生運動のゴールは所謂「台独」主流と同様で、台湾の主権を確立することである。ただし彼らは抽象的な法律論ではなく、現実の問題に照らして憲法を変えるという接近法を採っているようだ。制度的には民主制度を取り入れたはずの台湾で、本当に台湾国民が主権者となれるように社会の意識を変え、制度を正していくことを目指しているのが公民運動である。これも主権の確立に役立つことである。民進党執政時期における教育改革は、有効であった。台湾人は外来憲法の無効な条項に束縛されることなく、台湾主体の政治を行っていけばよい。権力闘争ではなく、本当に民意が政治に反映されるよう、我々は政治家を是々非々で支持し、監督していく必要がある。


    i 丘宏達2013《現代國際法》台北:三民書局 

    ii 台灣教授協會2009《台灣國家定位論壇》台北:前衛出版社

    iii 何明修2014<島嶼天光:太陽花學運的起源、過程與意義>,
    8月28日在台灣教授協會所作之口頭報告.

    iv 吳介民2014<到太陽花之路:台灣公民社會對中國因素的抵抗>,
    5月24日在日本台灣學會第16回學術大會所作之口頭報告.

    v 許世楷2014「台湾、三度目の国家消滅の危機」,『WiLL』6月号.

    vi 多田恵2014「ひまわり学生運動が切り開いた台湾の新局面」,
    日本李登輝友の会機関誌『日台共栄』平成26年6月号.

    vii 柚原正敬2014「中国併呑にノー! 学生決起は台湾の独立意識に火をつけるか 」, 月刊『正論』平成26年6月号.

    viii 何明修2014より引用

    ix 許世楷2014「台湾・サービス貿易協定問題について−学生運動の背景および中国問題」, 平成26年7月15日、衆議院第一議院会館における日本会議地方議員連盟「台湾」問題研究会での口頭報告。

    x 曽[女燕]卿2014<林飛帆:公民團體會投入選舉!-提名游錫[方方/土] 對民進黨失望透頂(林飛帆:公民団体が選挙に参加するだろう−游錫[方方/土](ゆう・しゃくこん)指名で民進党に失望の極み)>, 《財訊》7月31日号.

    xi 曽[女燕]卿2014

    xii <檢認外患罪難[弁] 黄國昌:正視憲改必要性>,《新頭殼》2014.8.22


    『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html

    2014.9.8 12:00文字化けにつき訂正再送


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