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  • 2009年3月29日日曜日

    「台湾の声」【論説】台湾馬英九政権の実態

    【論説】台湾馬英九政権の実態

                 時局心話會代表 山本善心

     台湾で中国国民党の馬英九政権が発足して、5月で1年になる。馬総統
    は「三通」(中台間の通商、通航、通信を直接行う)開放で、台中経済の拡
    大を目指した。馬政権は経済振興策による対中接近を急いだが、国際金
    融危機もあって、台湾経済は景気回復どころか最悪の事態を迎えたので
    ある。

     馬政権は経済成長率6%、失業率3%、国民所得3万米ドルの「633」公
    約達成を政策目標としたが、事実上撤回した。対中接近による経済発展を
    はじめ、選挙公約で掲げたすべてが逆目となる。一方、陳政権時代の台中
    経済関係は「三通」制限など不便・非合理的であったが、台中関係はそれな
    りに適切な距離があった。台湾の状況について「台湾の声」編集長である林
    建良氏は次のように述べている。「(庶民の)不安の根源は、台湾の運命を
    中国に委ねる馬政権の危うい姿勢にある。中国に併合されるのは時間の問
    題だとの不安が日増しに高まっているのだ」(09.3.24「時局コメンタリ
    ー」)

     台湾の対中投資は2000年に6兆元(約22兆円)、2005年に2.3兆

    (9兆円)であったが、馬政権になって、外貨保有高は9兆元(32兆円)が流
    出している。それゆえ最後の貯金である外貨準備高も空っぽだ。馬総統は
    58%の支持を得て当選したが、今や支持率28%、不支持58%に急降下
    した。


    馬対中公約は失敗


     馬総統選を通じてスローガンとされた「対中経済開放」は加速し、2008年
    には中国の外資受け入れ総額の50%以上が台湾資本となる。中国は国際
    金融破綻と四川大地震による経済悪化を、台湾マネーでしのぐことができた。


     台湾経済は政治的状況が強く影響しているので、その視点から見ないと判
    断を誤ることになる。馬政権の動きを振り返ってみると、中国と一体で消費と
    需要を還流できると見込んだが、的外れだった。

     たとえば、観光が解禁されることで1日3000人の観光客が台湾に来ると
    約束した。しかし実際の動員数は、目標の1割にも満たなかった。台湾の観
    光業界は馬総統実現に向け奔走したが、今では失望感が広がりを見せて
    いる。


    馬政権の三権分立


     台湾経済はなぜこのような無様な結果を招いてしまったのか。本質的に
    台湾国民が金儲けに貪欲で、利益のためなら後先を考えないことに一因が
    あるといえよう。馬総統が誕生すれば中国との経済関係、ひいては台湾経
    済が好転すると考え、猪突猛進した台湾国民にも責任がある。

     筆者は台湾を訪問するたび、こうした台湾経済人たちの誤解や錯覚を危
    惧したものである。民衆は馬総統の中国大繁盛論に目がくらみ、総統選で
    民進党の謝長廷候補を落選させた。

     「中国経済と一体化して台湾経済をよくしよう」という馬総統の経済政策は、
    パフォーマンスに終わったといえよう。台湾があくまで中国の一地方だと考え
    る総統は、台湾を中国に売り渡す気だと見られても仕方ない。中国国民党
    が台湾を完全に支配する手段は、三権分立を支配下に置くことだ。すなわ
    ち、国家権力である立法・司法・行政の、相互に独立した政策支配機関の
    掌握である。馬政権は弾圧と恐怖で権力を行使している。


    台湾は一つの地域


     馬総統が誕生して以来、政敵だった陳水扁前総統、蘇治芬雲林県長や陳
    明文嘉義県長も相次いで逮捕・身柄勾留されている。その他台湾独立派を
    含む本土派活動家にも、厳しい取り調べが行われた。現地関係筋の話では
    本土派活動家があらゆる口実で連行・尋問されており、その目的は独立派
    の根絶と見られる。馬政権は司法を自由に使い、「国策捜査」を平然と操る
    専制政治のようだ。

     その台湾総統が中国にすり寄り、中国経済と一体化すれば台湾が良くな
    ると錯覚しているようだ。中国は2010年までに4兆元(約57億円)を景気刺
    激策と内需拡大のため投入すると発表した。しかし金融危機の衝撃をまと
    もに受け、不動産の下落や金融破綻は著しい。「外貨準備高と米国債保有
    高5850億ドル(約58兆5000億円)があるから大丈夫だ」というが、い
    くら
    資金投入しても、底なし沼に果てしなく沈んでいくものとしか思えない。

     中国経済はしばらくこのまま推移していくことになろう。しかしもともと、裕
    福な消費者の需要拡大で繁栄を築いた国ではない。経済の土台を積み上
    げてきた基礎がなく、外資に頼る借金経済の上に成り立ってきたものだ。世
    界の金融破綻は中国経済をじわじわ蝕んで行くことになろう。中国は台湾に
    とって、夢とロマンに満ちた国ではないと認識すべきである。


    野苺運動


     台湾の「野苺学生運動」は市民の言論・集会の自由を守ることを目的とし
    て、インターネット世代によってネット上に結成された集団である。彼らは座
    り込みで抗議運動を行っている。

     昨年11月6日、総統府前広場で10万人規模のデモが行われた。台湾警
    察は彼らに異常に反応して、強制排除、暴力、逮捕という仕打ちに出た。デ
    モの参加者からは「蒋介石時代に戻ったようだ」と驚きの声があがった。

     「野苺運動」は緑(民進党)が藍(国民党)に対立する運動ではないし、まし
    てや民進党が扇動しているわけではない。それに対する過剰警備と弾圧は
    権力の横暴以外の何物でもない。


    台湾のマスメディア


     蘇県長の身柄拘束では、マスメディアが訳の分からない理由を掲げて、有
    罪確定であるかのように取り上げた。馬政権誕生以来、マスメディアは中国
    政府並びに国民党系に経営権を奪われつつある。台湾最大の国民党系新
    聞「中国時報」を、中国政府は860億円で買収した。「聯合報」も時間の問
    題とされている。

     一部台湾系テレビ局も、中国系企業に株式の大半を保有されている。台
    湾系とされていた「民視線」「公共電視台」の資本は国民党系寄りに変わり
    つつあると聞く。台湾系のマスメディアは中国系・国民党系に塗り替えられて
    いる。間もなく人民日報社が台湾に進出し、台湾マスコミが中国系一色にな
    る日も遠くない。

     台湾で唯一の本土派新聞と言われるのが最大紙「自由時報」である。今
    や台湾の新聞社は赤字紙が多いが、「自由時報」は大企業を2、3経営して
    おり、経済的に問題はない。呉阿明社長は親日派である。しかし今後、馬政
    権の任期中に政治的権力によって、何らかの容疑で逮捕されれば大変なこ
    とになる。呉社長は台湾のサムライというべき人物であり、筆者は訪台の際
    は必ず挨拶に行っている。


    民心の離反


     発足して間もなく1年になる馬政権だが、反省点は多い。中台対話と「三
    通」実現の道筋はつけたものの、台湾の中国化が加速するだけという印象
    が強い。総統人気の回復策として、日本の地域振興券に当たる「消費券」
    (1人約1万円)を支給したがあくまで限定的であり、消費拡大に至らず、国
    税の無駄遣いであった。

     一方株価はさらなる下落で底が見えず、企業の資金繰り悪化も日増しに
    増大し、悪循環が進んでいる。馬政権は内需拡大策を矢継ぎ早に打ち出す
    など火消しに賢明だが、もともと中国頼りで誕生した政権だけに、中国経済
    が駄目なら台湾も駄目というところだ。その中国も、2011年以降に何らか
    の事態が発生して崩壊するのではないかという不吉な予感がある。

     中国側では、前駐日大使・王毅氏が台湾問題を担当している。最近は馬
    総統と携帯電話でやりとりができるようになった。馬政権が中国寄りの政策
    を取ることで、台中雪解けムードが加速。また一方では米国から巨額の武
    器購入を行い、台米雪解けムードを演出している。


    台湾の行方


     米台間には台湾の安全保障に関する「台湾関係法」がある。台湾有事の
    際は米軍が台湾を守るという約束だ。イラクからの撤退を控えた米軍は、
    アジアに目を向けつつある。台湾にP3C対潜哨戒機12機をはじめ、総額65
    億ドルの大規模な武器売却を決定した。

     これに対して中国側は「断固反対する」と厳しいコメントを発表。しかし台
    湾の兵器購入は、中国の軍拡を牽制すると共に冷え切った対米関係を修
    復できるなど一石二鳥だ。台中軍事衝突が起これば、中国経済は致命的な
    打撃をこうむることになる。

     台湾経済は中国に巨額の投資を行い、持ちつ持たれつの関係にある。中
    国がこれまでのように、実際にミサイルの威嚇発射などの軍事行動を起こ
    すことはできない。馬総統の過度な台中傾斜に国民は監視を怠らず、しかも
    中国を本気で怒らせない微笑外交が当面必要ではないだろうか。

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    ◆◆◆◆◆◆◆◆◆4月8日「政民合同會議」ご案内◆◆◆◆◆◆◆◆◆
    「現下の国際情勢と日本外交」
    講師/岡崎 久彦氏 NPO法人岡崎研究所所長・理事長
     
     史上初の黒人大統領として世界で期待を集める米国オバマ大統領だが、
    40代という若さで実績も経験も少ない。「財政赤字を数年かけて半減させる」
    と表明しているが、サブプライムローン問題の解決は前途多難だ。アフガン
    への派兵をはじめとする中東問題、ガザ侵攻など国際問題も混迷をきわめ
    ている。大統領のいう「CHANGE」は果たして実現するのか、また日本はどう
    振る舞っていくべきか。 米国大統領就任からはや2ヶ月。米国を専門とする
    外交評論家ならではの分析に期待大だ。

    日 時/平成21年4月8日(水)
      AM 11:50〜PM 1:30
    会 場/参議院議員会館 1F「第1会議室」
    参加費/4,000円(お弁当代含む)
    お申込み先/�03-5832-7231またはメールshinwa@fides.dti.ne.jp      
      
      詳細はホームページhttp://www.fides.dti.ne.jp/~shinwa/でご覧下さい
    事前申込のない方はご参加できません。ご注意下さい
    すでにご案内をお送りしている方には、重複してのご案内となりますことをお
    詫びいたします。ご容赦下さい。
    ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆4月22日「時局プレス会議」ご案内☆☆☆☆☆☆☆☆
    タイトル「中国の軍拡」
    講師/平松 茂雄氏 中国軍事専門家

     昨年暮れから今年にかけて、ソマリア沖への駆逐艦の派遣、外洋艦隊の創
    設準備など、中国で軍備拡大の動きが活発になってきている。国産空母建
    、潜水艦の増強などの動きも盛んだ。尖閣諸島、東シナ海のガス田、沖縄な
    ど、領土問題で中国との間に多くの火種を抱える日本にとって、これらの動
    きは見過ごせない問題である。中国で、今何が起こっているのか。また今後、
    日本にはどのような対策が必要とされるのか。平松氏は日本を代表する軍
    事専門家であり、日本の取るべき道を知る上で欠かせない人物だ。その豊
    かな見識と情報分析にご期待あれ。

    日 時/平成21年4月22日(水)午後6時
    会 場/日本外国特派員協会 20F「メディアルーム」
         東京都千代田区有楽町1-7-1
         有楽町電気ビル北館20F 
         �03-3211-3161
    参加費/8,000円(食事付)
    お申込み先/�03-5832-7231またはメールshinwa@fides.dti.ne.jp      
      
      詳細はホームページhttp://www.fides.dti.ne.jp/~shinwa/でご覧下さい
    事前申込のない方は参加できません。ご注意下さい。
    すでにご案内をお送りしている方には、重複してのご案内となりますことをお
    詫びいたします。ご容赦下さい。
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