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  • 2009年2月2日月曜日

    「台湾の声」【論説】李登輝氏は今、武士道を実践している

    【論説】李登輝氏は今、武士道を実践している


          永山英樹


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    ■李登輝氏の信念は不変だ  

    中国から「台湾独立の広告塔」「台独ゴッドファーザー」と罵られ、蛇蝎のごと
    く嫌われながら、独立派と呼ばれた陳水扁総統の民進党政権を罵倒したり、民進
    党から統一派とされる国民党へと政権が移るや、台湾国内では「変節して国民党
    に擦り寄っている」とも非難される李登輝氏だが、国家正常化(台湾の正名、制
    憲、建国)、つまり中華民国体制から脱却し、台湾国を打ち建てるべしとの信念
    は何も変わっていない(陳水扁政権は国家正常化の理念への裏切を繰り返したが
    )。

    日本李登輝友の会のメンバーと会見したときも、「李登輝は変わっていませんよ
    !」と笑顔で力強く断言するのを、私自身も聞いている。他にもいろいろと信念
    の話を聞かされたが、そのあたりの李登輝氏の考えが、台湾国内であまり正確に
    報じられていない気がしてならない…。

    ■なぜ馬英九総統のサポートを試みるのか

    李登輝氏がかねてから求めているのは、民進党、国民党など諸政党すべてが、中
    国とは一切関係のない「台湾」のための政党として健全な競争を展開する社会で
    ある。そして自らが行うべきは国民党勢力の台湾化だ。台湾団結連盟も台湾派の
    国民党議員の受け皿を想定して結成した政党だった。そもそも国民党主席だった
    李登輝氏の影響力が及ぶのは、民進党ではなく国民党なのである。

    ところが李登輝なき後の国民党は、こともあろうに中国傾斜を強めた。そして昨
    年の政権奪取である。李登輝氏はこの国民党を何とか中国の磁力圏から台湾の側
    へと引き戻そうと考えているに違いない。そこでかつての配下である馬英九総統
    をサポートする姿勢も見せた。

    もっとも最近は政治、経済面における中国への一方的な傾斜には歯止めが効かな
    い馬英九政権への批判を強めているのだが、そうした中、台湾の正月(旧正月)
    にあたる一月二十六日、馬英九氏は年初の挨拶のため、李登輝氏を訪問した。

    ■中国傾斜への不満を抱きながらも

    訪問に先立ち中国時報(※台湾紙)は「馬英九氏は経済問題、台日関係、台米関
    係などの大きな政治問題に関し、自ら教えを乞いに行くものと思われる」と報じ
    ていた。事実、政権運営で力不足が目立つ馬英九氏にとり、「恩師」である李登
    輝氏は重視すべきアドバイザーとなっている。

    一方、自由時報は、「李登輝元総統は、とくに馬英九総統の両岸政策や経済政策
    に対して非常に意見があり、台湾の国家地位に関する考えが不明瞭であるとし、
    『独立国家であることを自己否定するような振る舞いは国家への反逆だ』とも非
    難した。…昨年三月には馬英九氏に向かい、『九二年コンセンサスなど絶対にな
    い。二度と言ってはならない』と強調したが、馬英九氏は今日に至るまで、コン
    センサスはあるとの立場を堅持している。李登輝氏はそれにはとても納得してい
    ないとされる」として、李登輝氏が何らかのクレームをつけるだろうとの見方を
    示した。

    ちなみに「九二年コンセンサス」とは、九二年の台中協議において「一つの中国
    」(「中国」の定義はそれぞれが表明する)をお互いに確認したと言うものだが
    、これは国民党が事後にした作り話であって、当時総統だった李登輝氏などの当
    事者は「そのようなものはない」と言っているのだが、馬英九氏はそうまでして
    でも「一つの中国」と言う立場を復活させ、中国側の対話(実質的には統一交渉
    )の要求に応じたのである。

    ■李登輝氏は正副総統に何を警告したのか

    さて二人の会見は、約一時間に及んだそうだ。総統選挙直後の三月の会見では「
    台湾のために働け」とのアドバイスを受けた馬英九氏だが、今回の内容について
    総統府筋は、「日常会話だった。台湾の歴史などが話題になった」と説明する。

    一方、台湾団結連盟の林志嘉秘書長は「内容は詳らかではないが、李登輝氏は馬
    英九政権の親中姿勢を懸念している」と強調した。

    中国時報によれば、李登輝氏は馬英九氏に一書を送ったと言う。それは自らのシ
    ンクタンク、群策会編纂した『「一つの中国」のブラックホール』(一個中国的
    黒洞)で、九二年コンセンサスや一つの中国の原則に従えば、中国覇権主義によ
    って台湾には危機がもたらされるなど、現政権に警告を発するものだ。

    なお、その前日に李登輝氏を訪問した蕭万長副総統は、「中国との関係発展には
    反対派しないが、台湾経済の発展の基礎は、中国市場の発展の上に置くのではな
    く、自分の発展に依拠すべきものだ」と諭されたと話している。

    ■すべては台湾のため—軍師の孤独な戦いを見よ

    台湾派から見れば不倶戴天の敵である馬英九政権に好意的に見える李登輝氏だが
    、国民党を変質させない限り、建国は不可能なのである。そればかりか台湾は、
    やがては中国のブラックホールに呑み込まれかねない。そこで行使しようとして
    いるのが同党への影響力ではないのか。

    もしそれであるなら、まるで武士の忠義物語のようだ。非難、誹謗をも恐れず、
    ひたすら台湾のためだけに尽くすと言う…。

    ちなみに李登輝氏は蕭万長氏に対し、持論である「心霊(精神)建設」の重要性
    を強調し、「自分自身も修養が必要。近く神学院へ赴き、充電する」と語ったら
    しい。

    そもそも李登輝氏の「変節」は総統就任以来のもの。そのようにして政府部内の
    守旧派と言う敵を抱きこみ続けて実権を獲得し、台湾の民主化(台湾を台湾人の
    国家にする)を見事達成したのだ。その間、敵からも味方からも、さまざまな非
    難を浴びてきたが、情勢に応じて姿勢をコロコロ変えるのが策略家。そしてその
    間も信念だけは曲げないのだから、これは一流の軍師と言える。

    このように言えば、台湾人からは日本人特有の「李登輝礼賛」に過ぎないと片付
    けられそうだが、むしろ私は最近の李登輝氏の、この孤立無援とも言える戦いを
    見て、今まで以上に尊敬心を高めているのである。

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