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  • 2008年11月14日金曜日

    「台湾の声」【産経正論】中国艦隊の津軽通過の意味は

    【産経正論】中国艦隊の津軽通過の意味は


    ○産経新聞 2008,11,12

                    中国軍事専門家・平松茂雄 


     ≪「領海侵犯」ではないが≫

     10月20日、中国海軍のソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦1隻と新鋭の江凱(こうがい)級ミサイル・フリゲート艦艇2隻、洋上補給艦1隻の合計4隻からなる艦隊が、わが国の日本海から津軽海峡を通り抜けて太平洋側に通過する出来事が起きた。

     ソブレメンヌイ級は、米ソ冷戦時代に米海軍空母が恐れたミサイルを搭載するソ連製駆逐艦である。一部の新聞とテレビで報じられたが、防衛省も統合幕僚監部が簡単に公表しただけで、防衛大臣の記者会見でも発表されず、記者から質問も出なかった。

     津軽海峡は日本の領海だが、国際海峡であるところから、外国の船舶が航行できるように公海の海域があり、外国の軍艦も通行できる。だが冷戦時代、ソ連の軍艦が通過することはほとんどなかったのである。こうしたケースで、わが国政府は「領海侵犯ではない」という立場を採っているが、法理論的にはその通りとしても、国家としてそれで済ませていいのか。

     中国はソ連と違って「友好国」だから黙って通すということなのか。今回中国海軍の艦艇は、極東ロシアの海軍基地を友好訪問したソブレメンヌイ級と江凱級1隻が、帰途日本海で補給艦ともう1隻の江凱級と合流して艦隊を編成して、津軽海峡を通過した。太平洋側の沿岸海域つまり西太平洋を西進して帰国したのだ。わが国として見過ごすことのできない出来事だ。

     ≪潜水艦作戦のための調査か≫

     中国の軍艦が津軽海峡を通過したのは、これが初めてではない。8年前の2000年5月下旬、中国海軍の情報収集艦が、対馬海峡を通って日本海を北上し、津軽海峡を経て太平洋に出た。その後、三陸海岸沖を南下し、房総半島、伊豆半島、紀伊半島、四国沖を西航し、6月初頭、国際海峡である大隅海峡を通過して東シナ海に去ったことがある。

     情報収集しながら北海道を除いて日本近海を一周したのだが、この時、情報収集艦は対馬海峡、首都圏に近い犬吠埼周辺海域、九州南部海域、大隅海峡などを重点的に調査した。なかでも津軽海峡は2日間かけて一往復半して、海峡地域の通信情報収集、海底地形調査などを詳細に実施した。

     この時も防衛庁(当時)は簡単に発表しただけだったが、筆者は本欄で、この出来事は1990年代中葉から東シナ海で実施されてきた海洋調査がひとまず終了したことを示しており、遠からず中国海軍が西太平洋に進出するための海洋調査が実施されるだろうと推測した。

     果たせるかな、今世紀に入ると、中国の何隻もの海洋調査船が、わが国の小笠原諸島・硫黄島から南西諸島に広がる広大な海域で数年にわたって、詳細な海洋調査を実施した。この時、中国は、2000年8月に日本政府が提案した「事前通報制度」に基づいて、堂々とわが国の排他的経済水域で調査を実施した。しかも、国連海洋法条約で認められていない海底資源調査や、潜水艦を展開し機雷を敷設するための調査も実施したと推定された。

     ≪台湾有事で米軍ブロック≫

     西太平洋における中国の海洋活動は、日本の排他的経済水域よりも南のグアム島に至る海域でも実施されたと推定されるが、この時も防衛庁は問題視せず公表しなかった。

     西太平洋での中国の海洋調査活動はすでに終了し、今回の中国艦隊の出現を契機に、中国海軍艦艇が頻繁に西太平洋海域に出現し、遠からず水上艦艇、潜水艦、航空機などによる協同軍事演習が実施されることになろう。艦隊通過直後の10月29日、中国海軍司令員によるわが国公式訪問は決して偶然ではないが、この訪問も一部で報道されただけだった。

     北京五輪を終えた中国は台湾統一に向かって歩を進める。台湾の「軍事統一」の際、西太平洋はその成否を握る重要な海域となる。その時中国海軍は横須賀から出動する米空母機動部隊、グアムからの米原子力潜水艦を阻止することは間違いない。

     その場合、わが国は日米安保条約に従って西太平洋海域に、海上自衛隊の艦艇や航空機を派遣して米海軍に協力することになるが、中国は「台湾の統一は中国の内政問題である。日本は中国の内政に干渉するのか」と厳しく迫るだろう。その時日本政府はどのように対応するのか。

     今、わが国周辺海域には、中国の軍艦や潜水艦が頻繁に現れている。にもかかわらず、自民党政権も、政権交代を叫ぶ民主党も、いまだに対中政策・海防政策を真剣に論じることがない。それどころか、「中国の脅威」を正視することすら躊躇(ちゅうちょ)している。こんなことで何ができるのであろうか。(ひらまつ しげお)

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    『日本之声』 http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe Big5漢文

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