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  • 2008年11月6日木曜日

    「台湾の声」【論説】中国解放軍の実態

    【論説】中国解放軍の実態

            
               時局心話會代表 山本善心

     台湾の現状と未来を語るには、少なくとも中国の国内事情や中国関係者
    の意見を分析したうえで判断すべきだと思う。仮に台湾側からの深いパイ
    プや情報があるとしても、偏った考え方に陥ることが多い。一方、中国側か
    らの情報も確かなものとは限らないが、ヒントにはなろう。国際情勢は利害
    損得をめぐる争いであるが、中国の国内社会に目を向けると、見えなかっ
    た台湾問題の先が見えてくる。

     中国の恫喝と威嚇による外交は今後マイナス面が多く、中国政府はしば
    らく温和しくする方針だ。今まで胡錦濤政権はあらゆる手練手管を用いて
    外交パフォーマンスを展開してきたが、すべてが悪い方向に走り出したとい
    えよう。一方馬政権がますます中国寄りで台湾を中国に売り渡すのではな
    いか、という一部世論があるが、馬総統の本音と狙いは、中華民国の復活
    と北京政府の吸収統一にあると筆者は再三に亘り弊誌で述べてきた。それ
    ゆえ馬氏の主張する「一つの中国」は大陸と台湾を中華民国が統一するこ
    とだ。しかし、大陸と台湾は事実上一つの独立国家であり、世界から見ても、
    中華民国は架空の存在でしかない。

     一方中国は領土も広く人口も多いから、強くて恐ろしい国だと世界中が錯
    覚している。そのミサイルや軍拡が台湾に向けられているという恐怖から、
    今にも台湾が飲み込まれるような幻想を世界は抱いてきたといえよう。しか
    し、中国に侵攻されない強力な軍事力を台湾が保有している事実を、誰も
    指摘しない。台湾を呑み込むことは容易ではないのだ。


    解放軍兵士の実態


     世界が恐れるほど解放軍は強いのか、これは四川大地震で見た解放軍
    の醜態が参考になるだろう。解放軍の救援活動が世界で報道されたが、そ
    の装備や勤務態度は異常なほど貧弱で立ち後れたものだった。

     「素人は騒ぎに目を奪われるが、玄人は後方勤務を見る」という中国のこ
    とわざがある。四川大地震に駆けつけた10万の解放軍を支える後方勤務
    管理と装備はどうなっていたのか。報道によると、被災地入りした解放軍兵
    士が口にしたのは、1日1本のミネラルウォーターと干したサツマイモである。

     兵士の大部分は多機能リュックを所持しておらず、昔ながらの背のうを背
    負っていた。さらにほとんどの兵士が鉄兜(ヘルメット)もかぶらず、防弾服
    も着用せず、装備も旧式である。ベトナム戦争は鉄兜をかぶらない中国解
    放軍兵士が数多く死亡した。民間の建設現場でさえ、ヘルメットの着用は義
    務づけられているというのに。


    解放軍の装備


     さらに問題とされたのはヘリコプターの数である。四川省の成都は大軍事
    基地であるが、当初ヘリコプターは18機しかなかった。その後各地から調
    達して、最終的に100機になった。米軍で言えば1個師団の規模でしかない
    が、これらのヘリコプターはすべて米国やロシアから輸入されたものだ。

     当初震災の被害状況がつかめずにもたもたしたのは、山間地域や山奥
    の状況を偵察する手段を持たなかったからだ。つまり空中からの観測がで
    きないので、米軍から提供される衛星写真の助けを借りて震災の惨状を把
    握した。ヘリコプターが墜落した際も、民間人の赤外線空中スキャナーを使
    って11日後に発見されたものである。

     それまで解放軍の装備や素質は高レベルにあると報じられてきたが、実
    態はかなり旧式だったのに、世界が驚いた。解放軍の動きも鈍く、救援活
    動はボランティアチームが主導するほどだった。


    現場の混乱


     その他指揮系統の乱れなど、多くの弱点も露呈された。特にテレビや写真
    で見る限り、地元警察やボランティア、空軍・パラシュート部隊、解放軍精鋭
    部隊などの指揮系統の混乱する様子が明らかに映し出されていた。

     さらに軍事通信や軍事医療体制などの立ち後れもある。今後は、これら
    兵士に対する基本的な体制の立て直しが望まれよう。これでは北朝鮮の兵
    士と同じだ、と言う専門家の意見も的を得ている。解放軍の水準は1940〜
    50年代並というわけだ。

     災害救助の要諦は指揮系統の統一と「団結」にあるが、解放軍兵士らの
    動きは「混乱」であった。あまりのひどさに、温家宝首相が関係者を叱責す
    る映像を見て、それが今も頭に焼き付いている。


    中国は兵器の近代化に集中


     中国の「漢和防務センター」の記事によると「中国は毎年6000トンクラス
    の水上戦闘艦を1隻調達、4隻の原潜を就役、年100発近い弾道ミサイル
    の配置、戦闘機の購入など年間586億ドル(実態はこの数倍)の軍事予算
    をかけた。一方台湾は109億ドルであり、両国に大きな差ができた」と記載
    されている。

     カナダの中国語軍事専門誌「漢和防務評論」7月号は、日本への攻撃を
    目的とする中国山東省の中距離弾道ミサイル基地が強化されたと報じてい
    る。従来の「東風3号」の改良型であるが、これらの対日強化作戦は「日米
    に対する威嚇を強め、台湾海峡への介入を防ぐため」と記されていた。

     中国は攻撃用兵器や武器で近代的軍拡を行っていると発表しているが、
    戦闘機一つとっても、一度飛び出すたびに数百個の部品を交換するなどの
    整備と技術訓練など、実戦では兵器の扱い方が問題になるといえよう。


    台湾の現状維持


     台湾はすでに独立した国家であるが、中国がうるさいので、世界は「現状
    維持」で良しとしている。しかし馬総統の登場で、かつての国共戦争、つまり
    蒋介石国民党と毛沢東中共政府による紛争が再燃するとの見方もある。

     中国は「台湾は中国の一部である」と国民を洗脳しており、今さら「台湾独
    立」となれば国民統制力がゆるむため黙ってはいられないので、台湾の動
    きを警戒するが、、本音は現状維持だ。ネットによると、第一回中央内部会
    議の席上で、胡主席は台湾攻撃を「第1段階:軍事闘争準備、第2段階:軍
    事的脅威を与える、第3段階:台湾海峡封鎖、第4段階:火力による集中攻
    撃、第5段階:台湾上陸戦闘」の5段階に分けると発表した。

     これらの情報が錯綜する中で、今や中国の政治課題は「生活と経済」に関
    心が集中しているようだ。中国は、グローバル経済による経済発展を成し遂
    げてきたので、世界との協調なしでは生き残れない。また胡政権の方針は、
    経済の安定と、地域格差の調和が最大の優先課題となっている。


    民衆の動きが怖い


     2007年3月12日、第10期全国人民大会第5回会議の解放軍代表団全
    体会議で、胡主席は「全軍は国内外情勢の変化に対して緻密な関心を持ち、
    危機感と使命感を一層強め、自覚的に新世紀の新段階にある我が軍の歴
    史的使命を履行せよ」と強調した。

     これらの緊急訓示は、中国政権内部に危機が迫っていることを意味する。
    周知の通り、中国国内の暴動は年間85000件以上にのぼり、ネット勢力
    の影響、製造業の不振、不動産・株の暴落、物価高、環境問題、水不足な
    ど、複雑な国内事情が目白押しだ。

     今中国では、我々の想像を遥かに超えた深刻な内部事情が山積してい
    る。最近の会議で胡主席がしきりに「状況の変化に応じて、党中央と中央
    軍事委員会の指揮に従え」と言っているのは、緊急事態に対する忠告であ
    ろう。

    日中共生時代


     中国は国家の威信をかけ、ありとあらゆる手段を用いて世界に挑戦した。
    毛沢東はマルクス・レーニン主義によるスローガンを掲げたが、非現実的で
    内容が伴わず失敗した。江沢民は人民のナショナリズムを煽り立て反日運
    動を展開したが、一歩間違えれば、人民はいつ中央政権に矛先を向けるか
    分からないので今のところ取り止めている。

     そのうち中国の国内事情は悪化の道をたどり、経済発展の裏側では環境
    汚染が壊滅的な事態になりつつある。空気の汚染で年間40万人が死亡、
    80%の河川や湖が枯渇し、60%以上の草原が砂漠になり、大部分の森林
    が消滅した。新聞も読めない7億人、水も飲めない地域に住む4億人の民に、
    日本の助けがないと解決できない問題が山積していよう。

     胡主席は本年6月訪日した際、日中友好協会での挨拶で「中国の今日あ
    るのは、ODAや借款など日本のおかげだ」と述べた。今後の対日政策は「日
    中融和」という方向に転換する。こうした事情を包含して、今後の中国のあり
    方、日本の処方が問われよう。中国が日本に助けを求めているのは、大きな
    壁に直面して、このままでは国がもたないからだ。一方わが国にとっても中国
    が米国を抜いて第一位の貿易相手国である。今後は本格的な「日中共生時
    代」の歴史的転換期を迎えたのである。   


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