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  • 2008年10月6日月曜日

    「台湾の声」【連載】日本よ、こんな中国とつきあえるか(25)

    【連載】日本よ、こんな中国とつきあえるか(25)
        台湾人医師の直言

    (転送転載自由)

    出版 並木書房(2006年7月)
    著者 林 建良

    http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%88%E3%80%81%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%81%82%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%8B-%E6%9E%97-%E5%BB%BA%E8%89%AF/dp/4890632018/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1208414945&sr=8-1


    第4章 悪の元凶・中国帝国主義はこう潰せ!
           
       真実を中国人に教えれば中国は内部崩壊する

    3、中国に情報開示を要求せよ!

    ●今なぜ中国は「東アジア共同体」を作ろうとするのか?

     私の手元に、中国共産党が作成したと言われる『日本解放第二期工作要綱』という秘密文書がある。いつ発行されたのか定かではないが、日中国交回復の直前のようで、これを入手したのは中央学院大学の西内雅教授だという。この要綱は「(A)基本戦略・任務・手段」と「(B)工作主点の行動要綱」の二つからなり、(A)の「一、基本戦略」には次のように記されている。

     我が党は日本解放の当面の基本戦略は、日本が現在保有している国力のすべてを、我が党の支配化に置き、我が党の世界解放戦に奉仕せしめることにある。

     要綱の真偽のほどは問わない。言えることは、中国は今でもこれと同じような戦略を持っているということだ。日本の経済力は中国と比ぶべくもないほど大きい。しかし、図体は大きいけれども羊のような存在で、中国は狼である。中国は日本を支配下に置こうとしている。今の日本は中国という狼に狙われた羊と言ってよい。

     その象徴的な事例は、中国が提案している「東アジア共同体」という構想だろう。この「東アジア共同体」構想を受け、日本では二〇〇四年五月一八日に「東アジア共同体評議会」が設立され、中曽根康弘元首相が会長に選出されているが、外務省のチャイナスクールのなかでも親中色が強い前外務審議官の田中均氏(日本国際交流センター・シニアフェロー)の肝煎りだという。しかし、この構想には随所に中国の意図が潜んでいる。

     では、今なぜ中国は「東アジア共同体」を作ろうとしているのか? それはまさに日本の国力のすべてを支配下に置きたいという意図があるからだ。

     中国の経済発展はすでにボトルネックのところまで来ている。中国の国内銀行の不良債権は四五パーセント以上に達し、無謀な土地開発による上海と北京の不動産バブルはもうそろそろはじけるという観測が一般的である。急激な経済発展を遂げてきた中国ではあるが、今までのスピードで発展しつづけることはもはや不可能であろう。破綻することを予測できるがゆえに、いざ破綻したときの受け皿として「東アジア共同体」を構想したものと思われる。参加国のなかでもっとも国力があるのは日本である。中国にはこのバブル経済が破綻したとき、日本にその責任を転嫁しようという思惑が見え隠れしているのである。

    ●労せずして情報を集めようとする中国の巧みな方法

     それだけではない。東アジア共同体構想の前哨戦として、中国は二〇〇三年九月に「東アジア・シンクタンク・ネットワーク」(NEAT)という国際会議を北京で開いている。この会議には中国国務委員の唐家B前外相も出席して、「東アジア協力の強化のためには、政府間の協力だけでなく、シンクタンク間の協力が重要だ。NEATはASEAN+3の政府間プロセスによって創設され、政府への提言が期待されている。それに応えてほしい」(『日本国際フォーラム会報』四一号)と発言したという。

     このとき、「東アジア・シンクタンク・ネットワーク」の中央事務局をどこに置くかが突然提案されて協議されたが、準備不足の日本側が戸惑っているうちに中国社会科学院内に置くことが決められた。

     これは非常に重要な意味を持っている。つまり、シンクタンクというのは貴重な情報の集積地であり、その国のもっとも優秀な頭脳が集まる組織であるのは言うまでもないことで、情報と頭脳を管理する中央事務局を中国社会科学院内に置くということは、中国政府の内部に設置したということである。要するに、中国は労せずして貴重な情報を得る装置を設けたということなのである。

     今のところ、このような視点からの問題提起は日本の言論界には見られない。だが、中国とこのような形でリンケージするようになれば、日本は一方的に中国に情報を提供することになるやもしれず、財力、技術、そして頭脳まで中国に取られかねない状況を自ら呼び込んでしまったと言えるのである。

     もし今後、このような形で中国とリンクしていくなら、日本はお互いの情報を透明化すべく、すべての情報の開示を中国側に求めるべきである。日本が東アジア共同体構想に参加するなら、もしくは中国に投資するなら、日本は中国に情報の開示を要求するのは当然のことである。

     ただし、指摘されているように、中国のデータは不誠実で杜撰なものが少なくない。それは、二〇〇三年のSARSが中国の情報隠蔽によって広がってしまったことを想起するだけで十分であろう。だから、中国が情報開示を受け入れても、いいかげんな情報を提出するから意味がないという指摘も当然ある。だが中国がいかにデータを操作しようとも、完璧な操作は不可能である。

     中国は九・九パーセントという高い経済成長率をつづける一方で、農村部は二〇パーセントもの失業率という大きな経済的矛盾を抱えている。だからこそ、中国には情報の開示を求めなくてはならないのだ。なぜなら、中国の国内総生産(GDP)は貿易に依存しており、その比率は七〇パーセントにも及んでいるからだ。それほど外国と密接な関係を持っているなら、日本は大きな貿易相手国として中国に情報の透明化と公開を求めるのは当然のことである。

     そうでもしないかぎり、中国は「東アジア共同体」という大きな風呂敷に日本を包み込んで、経済が破綻したとき、そのツケを日本に回してくることは目に見えている。そのような事態にならない前に、日本は中国にきちんと情報公開を要求し、それが実現しないうちには中国に深入りしないことが賢明なのである。

    ●中国人相手に日本人式の交渉は通用しない

     中国人と付き合う場合、もう一つ気をつけなければならないことがある。日本人は基本的にシャイでナイーブな民族である。交渉相手に図々しく要求だけを突きつけるようなことはほとんどしない。こちらの誠意を見せる意味で情報を提供して、相手の善意に期待するというのが日本人の行動様式である。

     しかし、中国人にこの日本人の交渉のやり方は通用しない。これは肝に銘じるべきだ。中国人相手にどんなに情報を要求しても、ほんのわずかしか出てこないことは明白である。中国人は要求しないかぎり何も出さない。逆に、いろいろ要求してくる方が多いのである。シンクタンクを通じて情報を提供したからといって、中国が情報を開示してくれると考えてはならないのである。

     日本式外交がほかの国では通用したとしても、中国には通用しない。中国には強い態度で臨んではじめて日本の国益が守られるのである。くれぐれも目隠しされた状態で、中国人と付き合う愚だけは避けてほしいものである。

    (次の連載10月13日)

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