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  • 2007年9月22日土曜日

    「台湾の声」【論説】政治家は誠実であれ

    【論説】政治家は誠実であれ

       アンディ チャン

    選挙戦と言うように選挙は戦争に似ているが、運動会にも似ている。 紅白両軍がそれぞれ代表選手を出場させ、観衆は「赤勝て、白勝て」 と応援する。

    ところがもしも紅白両軍の戦いで、白軍の代表選手が「ピンク」の 旗を掲げて出場したら紅白両側の観衆はどう思うだろうか?白軍の 応援団にしてみれば味方を応援しなければならない、しかしピンク の旗では相手に負ける。紅軍の応援者にしてみればピンクの旗は卑 怯でルール違反だと言うに違いない。白軍の支持者でも正義感のあ る人なら不誠実な手口には嫌気がさすはずだ。

    ●青緑色の選挙の旗

    これが台湾の総統選挙で起こったのである。台湾の選挙は台湾人の 泛緑と、蒋系中国人の泛藍が争う選挙、台湾人は緑色を使い、蒋系 中国人は藍色を使う。民間では藍緑の二色だけでなく、絶対に台湾 を支持するものを深緑、心情的な支持者を浅緑と呼び、同じく泛藍 にも深藍と浅藍、全部で4種に分ける。

    泛緑の候補者に選出された謝長廷がアメリカ訪問でニューヨーク、 ワシントン、ロスアンジェルスなどの各地を訪問したさいに民進党 の緑の旗を使わず、丸に「長」と書いた空色の三角旗を掲げたので ある。つまり中間選民の票を取るために空色の旗を使った、敵陣に 入って浅藍の選民票を取るためであると思われる。

    私はこれに大反対だから「謝長廷は色盲か?」という一文を中国語 で書いて、謝長廷本人を始め、泛緑の政治家に送りつけ、新聞にも 公開した。謝長廷を攻撃したのではなく、「泛緑の代表なら緑の旗を 使え、空色の旗を止めろ」と勧告したのである。この文章に対する 反応は「まったく同感です、頑張れ」というのと、「味方を批判すれ ば負ける、批判するな」という、賛成と反対に二分したものだった。

    賛成側は卑怯な動作をすれば負けると言い、反対側は卑怯な動作で もよいが批判すれば負ける、おまけに負ければ批判者の責任という、 これは心外である。誠実さを要求することがそんなに難しいのか?

    最近、ある昼食会で私が選挙運動で空色のシャツを着た謝長廷の写 真を見せて、これが民進党(泛緑)の候補者かと質問した。テーブ ルに座っていた人はみんなよくないと言ったが、同席した民進党幹 部は「あれは空色ではない、青緑色だ」と言ったのである。それで 私が「でも、民進党の候補なら、どうして緑色のシャツを着ないの か?」と反問したところ返事に窮して「昼飯は食べたくない、帰る」 と言い出したのである。気心の知れた仲間の間でも返事が出来ない ようなことを、どうして選挙で大衆の前でやれるのか?

    ●絶対負けられない選挙

    問題の焦点は、総統選挙で台湾人が蒋系中国人の馬英九に負ければ 台湾は中国に合併される危険がある、絶対に負けられない選挙であ るからだ。

    ところが台湾人は、絶対に勝たなければならない選挙で台湾アイデ ンティティを出さず、中国人に媚びる路線を前向きにする謝長廷の 戦術に不満で、中間路線では負けるという危機感を持っている。

    中間路線は過去二回の選挙で台湾人の不満を買い、二度も惨敗した 経験がある。そして4月の民進党候補の緒戦でも、謝長廷の掲げる 和解共生、憲法一中はダメ印を押され、彼自身も中間路線を取りや めることを口約したはずである。それが民進党代表に選出されると、 再び空色の旗と、和解共生を主張しだしたのだ。

    一方は空色の旗でなければ選挙に負けると言い、もう一方は和解路 線は台湾選民の反感で負けるという。双方が固持して相容れないの である。

    選挙に負けられないから謝長廷を支持せざるを得ない、しかし謝長 廷は台湾路線を歩み、民間の声を聞かねば得票にならない。謝長廷 を支持しないのではない、支持するからこそ和解路線をやめろ、台 湾アイデンティティを主体にせよと主張するのだ。

    ●「人騙し」ではなく「台湾アイデンティティ」

    選挙でもスポーツでも、自軍の旗を使わず中間色の旗を使うのは卑 怯である。謝長廷が中間色を使うのは相手を騙して票を取る戦術で ある。でも民衆はそれほどバカではない、民衆をバカにすれば藍緑 両方の民衆はどちらも離反する。これでは得票率は下がる。

    それでも謝長廷陣営は、批判すれば負けるから批判するなと支持者 の口を塞ぐ行動に出るのだ。味方だったら卑怯でも沈黙して、黙認 した形で応援するのか?それで勝てると思っているのか?

    和解路線、空色の旗などは卑怯な戦術である。自軍の旗色を使わず 敵の旗色に近い物を使うのはテロ行為、第五列のやり方だ。こちら が卑怯な戦術を使えば向うも卑怯な戦術を使うのは明らかである。 台湾の選挙が不公平なことはこれまで国民党が賄賂で票を買ってい た過去があり、今回の選挙でも金が動くと思われるがもちろん卑怯 である、民主選挙は正々堂々と戦うべきで、不正選挙では民主国家 と言えない。

    国民党が票買収に走れば民進党も票買収する、これでは選挙はよく ならないし民主社会は後退する。絶対に勝たねばならない、だから と言っても中間路線を採れば国民党はもっと有効な金銭戦術に出る。 相手が卑怯だからこちらも卑怯というのは賛成できない。

    私は今回の選挙で、絶対に勝つ見込みのある路線は台湾アイデンテ ィティを出して正々堂々と蒋系中国人を攻撃する方針だと思う。謝 長廷陣営は中国人意識が強く、「中国人の選挙」を戦おうとしている が、台湾は中国の一部ではない。今回の選挙は台湾独立の戦いであ るべきだ。台湾人は中国人ではないから台湾アイデンティティで選 挙すべきである。

    謝長廷の陣営は泛藍中国人の「民族和解」、「民族差別」スローガン に惑わされて台湾人アイデンティティを主張しない。いまでは台湾 名義で国連加盟をする運動が澎湃として起きているが、台湾が中国 の一部ではないなら、台湾人は中国人ではないと言うのも正しい主 張であり、相手が種族差別と泣き言を言っても構わない。

    蒋系中国人は台湾に62年も住んでいながら台湾に帰化せず、特別階 級として台湾人を差別統治してきた。選挙になると彼らのほうから 種族差別を言い出すとは呆れる、よくも言えたものだ。台湾アイデ ンティティを持たない蒋系中国人は「出て行け」ばよい。

    ●不誠実な政治家を望まない

    今回の選挙は絶対に負けられない選挙である。それなのに民進党の 候補は路線問題すら解決できない。謝長廷は台湾人として採るべき 道を主張できず、浅藍の浮動票を狙って相手に媚びる戦術をとるが、 この戦術で浅緑の浮動票を棄てるつもりなのか。

    謝長廷は浅緑の選民に対しては選挙に負けると中国に併呑されると いい、浅藍の選民に対しては中台商業の推進、中台双方の航空路線 の開通などで中国接近を主張している。台湾人は中国接近に警戒心 を抱いているが、謝長廷に投票せず、負けたら中国に併呑されるか もしれないから謝長廷に投票すると。しかしこのような中間路線は 馬英九の中国路線とあまり違わず、いずれ併呑される。

    重要な選挙だからこそ、謝長廷が空色の旗を持ち出すことに反対、 彼の中間路線が全面的に信頼できないことを懸念しているのである。 民進党は選挙の前に「泛緑路線」を決定しなければならない。台湾 アイデンティティ路線か、または謝長廷の中間路線か、どちらにす るか公開討論で決めるべきであり、人民にハッキリ知らせる義務が ある。責任のなすりあいや討論しないで選挙運動を始めるのは愚昧 である。候補者となった謝長廷が率先して民進党および支持団体と 話し合うべきである。

    候補者は選挙の前に人民に選挙公約をすべきだが、公約を守らない ような候補は始めから失格である。簡単な話だが、緑でも藍でもな い中間色を持ち出す謝長廷は「私は中国人で、同時に台湾人でもあ る」と言っているようなもので、信用できない。台湾人アイデンテ ィティを持てないなら別の候補者を出すべきである。

    「謝長廷は頭のいい人間だから、信用できると思う」と言った人が いるが、私は賛成できない。謝長廷は所信を表明したことがないし、 前にも書いた「ムツゴロウ」のように主張をいろいろ変えているの だ。これに加えて台湾人は嘗て許信良、施明徳、陳文茜などに裏切 られた苦い経験がある。聡明な人間だからといっても簡単に信じる わけに行かない。所信を表明して確約してもらいたい。

    ●簡単な得票算術

    中間路線が必ず失敗することは簡単な算術でもわかる。台湾の85% が台湾人で、15%が蒋系中国人である。この15%の蒋系中国人は絶対 泛藍で変節することはない。これに加えて20%の台湾人の国民党員 がいるから、深藍の得票率は35%は確実だろう。泛緑のほうはこれ までの選挙でわかっているように35%が確実に深緑である。つまり、 残りの30%が浅藍と浅緑の浮動票と呼ばれる実態である。ここで注 意すべきは、30%の浮動票はみんな台湾人であることだ。このような 状況で台湾アイデンティティを出せば浮動票は確実に緑側に動くが、 中間路線では台湾人の反感が強く作用して藍色に動くだろう。

    もちろん、浮動票の一部は中国で商売をしている台湾商人とその家 族である。だからと言って彼らが泛藍に投票するとは限らない。彼 ら台湾商人と家族に台湾を愛する心が無いとはいえない。つまり中 間路線よりも台湾アイデンティティの方が有利になるのは簡単な算 術で明らかになるのだ。

    ●読者の意見を伝えよ

    何故この問題を取り上げたかというと、この選挙は台湾の将来を決 定する「関が原」であるからだ。私は謝長廷の主張に賛成しないだ けでなく、私が読者に訴えたいのは台湾人の参与である。読者の意 見を謝長廷及び民進党幹部に伝えて欲しい。私に反対するのは構わ ないが、反対する理由を述べて台湾人の意見をハッキリさせ、選挙 に取り込むべきである。

    読者の意見は民進党に直接伝えてもよいし、私に書いてくれれば纏 めて謝長廷と民進党本部に送ることができる。大切なことは選民の 一人一人がこの重要な選挙に参与して選挙に勝つことである。

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